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椿咲夜32歳一課に来て二年。驚くべき事に彼は民間のそれも大きな銀行に勤めていたそうだ。何故警官になったかは不明だが彼の話はとても面白かった。そしてすぐ僕の緊張も解けていった。
「それでね、仲良くなった認知症のご婦人が私の事を亡くなった旦那さんだと思って…」
話しながら彼はポケットをトントン叩いて居た。
ポケットからタバコの箱が頭をのぞかせている。
「あ、タバコですか?駐在スペースではダメですけど、中の台所の換気扇の下で吸っていただければ」
と言うと、ホッとしたような顔で
「すみません、ではお言葉に甘えて」
と言うと僕の後ろについて住居スペースに入ってきた。
「わぁ、凄く綺麗にしているんですね。というか何も無いというか…あれ?これは?」
と、視線の先には昼に食べそびれたカップラーメンが鎮座していた。
「昼に食べようと思っていたんですけどね…食べそびれて…」
「料理しないんですか?」
「しようとしても、できないんです。不器用で。」
「そうですか。私は料理得意ですよ、そうだ作りに来ましょうか」
急すぎる展開に焦る。
「あの、あの、お茶いれますね」
ケトルに水を入れようと台所の蛇口をひねると後ろから抱きつかれた。
「え?な、何してるんですか⁈」
ふっと首すじ吐息を感じると軽く歯を立てられる。
「ね?ここ俺が予約していい?」
そしてトントンと頸を指先で叩く
振り向くと眼鏡の奥の優しそうだった瞳がギラついている。猛禽類のように鋭い目つき、目だけで仕留められそうだ。
「あ…何いって…」
ふっと目からギラついたものがなくなる。そしてふんわりと微笑んで
「本気だから考えておいて下さい」
と言うと踵を返してこちらを振り向かないまま手を振って帰っていった。
一人になってふと気づく
「タバコ、吸って行かなかったな…」
すみません、受の一人称が僕になったり俺になったりしていたので俺で統一しました_(:3」z)_
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