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「約束通りご飯作りに来ましたよ。上がらせて貰います」
そうだった。あんな事があったからすっかり忘れていたけれど食事を作ってくれるって言っていたんだった。
「あ、あの…」
口ごもっていると
「お邪魔します。今日は和食にしようと思うんです」
といいながら勝手に住居スペースにはいる。
あとを追いながら
「で、でもですね…うちには前の駐在が忘れていった包丁と鍋しかないんです。」
正直顔を見ただけでドキドキするのに一緒にご飯食べるなんて…それにあの時のギラついた顔…思い出しただけでぞくりとする。
本当にぞくりとしただけ?
あの目を見たとき身体の芯が熱くなった。
…ああもう考えるな。
「大丈夫です。肉じゃがなら鍋一つで作れるし、お味噌汁だって。あとは浅漬けだから包丁しか使わないですし。」
そう言いながら食材をスーパーの袋から冷蔵庫に移していく。
「肉じゃがは甘いのがすきですか?それとも…」
「あ、甘いのです」
思い出してしまって顔が火照る。
ギラリ眼鏡の奥が光る。あのときと同じ眼だ。そして手を引っ張りその広い胸に抱き寄せられる。
「ご飯食べたいんじゃないのか?そんなに真っ赤な顔して。我慢できなくなってしまうだろ…」
低い声で耳元で囁かれる。耳に当たる吐息が熱い。
「なんて、驚きました?私は待ちますよ。貴方から欲しいと言ってくれるまで。」
微笑みながらそう言ったが、真剣そのものの目で…
ああ、俺はどうしたらいいのだろうか。
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