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「じゃあ、おくって行くから、しばらくゆっくり休め」
先輩に布団をかけられミニパトで送ってもらう。
「なあ、兎丸、お前頑張りすぎだよ。お前がΩだって事誰も気にしてないぞ。お前は優秀な警官だ。皆んな認めている。だからさ、もっと周りを頼りにしていいんだぜ。まあ、お前みたいなタイプは頼るのにも勇気が必要かもしれないけどな。」
「そうですね」
頼る勇気…そうかもしれない。
俺は勇気がなくて周りに頼れない。
自分の弱さを認めたくなくて。
そう思うと、ふと椿に会いたくなってきた。
会いたい
電話をしようとしてしてふと気づく。
僕はあの人の携帯の番号すら知らないじゃないか。
この恋い焦がれる気持ちをどう吐き出していいかわからない。
雨のしとしとという音が車の走行音に混じる。ああ、もうすぐ梅雨が来る。あの曇天の空を僕は一人で見上げていられるだろうか。
鈍色の空さえもあの人がいたら美しい景色になるだろうに。
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