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抱きしめられていままでの思いが溢れてきた。
「俺、Ωだって知った時はショックだった。成績も優秀でスポーツだって出来た。きっとαだってそれでなくてもβだっておもってた。今は時代が進んでΩへの偏見は少なくなったとは言え、性的な目で見られる事だって少なくはなかった。そんな奴はぶん殴った。それから馬鹿にされないように勉強した。文武両道でありたかったから剣道も同じくらいがんばった。でも、やっぱり俺はΩでどこの会社でもΩ枠の雇用しかなかった。でも警察官になって初めて仕事にやりがいを感じたんだ。それから仕事に対して自尊心を持てるようになった。でも、どこかでやっぱり引け目を感じている。俺はそんな弱い俺を認めたい。それでもっと強くなりたい。俺はあんたのこと何も知らない、知らないけれどもう惚れてる。あんた、俺が欲しいというまで待つっていったよな。でも俺はあんたに欲しがられたい。俺をどうしても手に入れたくなるくらいいい男になりたい。」
一気に思っていた事を吐き出して恥ずかしくなる。
「貴方はつよいですよ。私はね、貴方と正反対ですよ。逃げてるんです。自分の人生を。貴方の真っ直ぐな目を見ていると自分が恥ずかしくなる。本当ですね。欲しがっていたのは私です。
貴方が
ーーー欲しい。」
そう言った声は少し掠れていて、いつもの自信満々な椿とは違っていた。彼の心の脆い部分に触れた気がして、胸がきゅっと音をたてた。
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