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「あ、なんで…」
「誰に聞きましたか?」
「長瀬が…」
「ああ、あの時居合わせた方ですね。私も隠していましたが、人の口には戸は立てられない、公然の秘密になってしまっているんです。私と口からいつか話そうと思っていましたが遅かったですね。」
「なんで!なんで早く言ってくれなかったんだよ」
抱かれたまま胸を叩く。
「言おうと思もいました…でも真っ直ぐで、警察官に誇りを持って職務を全うしている貴方を前に言えなかったんです。」
そういうと、塞ぎ込んでしまった。
「えっ…どういうこと?教えろよ!」
「どこまで聞いたかはわかりませんが、私は椿銀行の跡取り息子です。時期頭取として銀行で数年働きました。仕事は楽しく充実した毎日でした。しかし仕事が面白いと感じるようになった頃からαの女性とお見合いばかりさせられるようになりました。そんな血統ばかり気にする家が嫌になって、田舎に来て、たまたまみた 警察官募集のポスターをみて、なんとなく警察官になりました。貴方のように警察官にプライドもありません。わたしはただ逃げているだけで実家を跳ね除ける事すら出来ないのです。貴方のように強くてありません。」
「俺は強くなんかない。よわい部分も沢山ある。それは皆んな一緒だ。咲夜も例外じゃない。いいんじゃない?弱くても。逃げてもいい。それだけ咲夜が背負っているものが大きいから。でも逃げている間に覚悟ができたなら、その時は立ち向かえばいい。」
ぎゅっと痛いくらいに抱きしめられる。
「貴方は本当に素敵な人だ。こんなにも私に力をくれる。」
「大げさだなぁ…でも嬉しいよ。でも忘れないで俺だって咲夜が居てくれて、少しだけ強くなれた。お前を想うだけで強く居られるんだって」
背中に手を回す。
「なあ、咲夜の家の事はもう咲夜だけの問題じゃない。二人でゆっくり解決しよう」
「はい」
そう言った咲夜の顔は晴れ晴れとしていた。
そう、これからは二人で、だって俺と咲夜はずっと一緒だから。
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