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雨の日
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6月。ジメジメしてて気持ち悪い。
みんなはそう言うけど、俺は雨が好きだ。
嫌な気持ちも、考え事も、
全部洗い流してくれるような気がするから。
何も考えずに、ただのうのうと暮らしていたい。
そんなことも叶わないなんて、神様は不公平だ。
雨の音を楽しんでいる時に聞こえてきた嫌いな声。
「おい、はやくこい。」
俺のキライな女の声。
自分の思う通りに行かなかったら俺をぶつ。
自己中なオンナ。オンナはみんな、自己中だ。
そんなことを考えながら、そいつの元へ向かう。
「じゃあ、鍵渡しとくね。202だから。」
聞きなれない、しわがれたオンナの声。
初めて聞いた、優しくて暖かい声だった。
「オオヤサン」
っていうらしい。
まぁ、どうせこいつの事だから1ヶ月程度で
また引っ越すんだろうけど。
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