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愛してます
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心地よい風か頬を撫でる中、
俺は満開になった1本桜の木の下で、
散りゆく桜の花びらを眺めながら、
眠剤を口に運ぶ。
瞼が重くなり、ところどころ意識が途切れる。
「し…さん、柊時さん」
身体に重みを感じると、
俺を呼ぶ声に重い瞼を開いた。
「亮…」
「酷いよ、柊時さん。一緒に死のうって約束したでしょ?」
「あぁ…。手紙読まなかったの?」
「読んだよ」
「だったら…、亮」
俺は途切れそうになる意識を何とか繋ぎ止め、
亮に語りかける。
「亮はまだ若い。知らない事、見たことのない世界がまだ沢山ある。恋をして、色んな事を学んで感じて欲しいんだ、茂三さんなら、亮を安心して…」
「恋なら、知ったよ」
亮が俺の言葉を遮断する。
「僕は柊時さんと過ごしたこの時間に恋を知った。柊時さん、好きです。愛してます」
俺ににっこりと微笑みかけ、
唇を重ねた次の瞬間、
亮は自身の首にナイフをあてがい、
躊躇すること無く、それを引いてみせた。
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