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君に愛と祝福を。
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俺は元々、生まれつき家はそこまで裕福じゃなかったけど、幸せに暮らしてる
はずだった。
1✕歳の時、家に帰ると家が売られていた。
もちろん家に入れるはずもなく、帰る家をなくした。
「君、こんな夜中に何してるの?」
どこに行こうか迷って公園で寝転んでいるときだった。
40〜50の男。とても優しそう。
「えと、俺は...」
今までのことを話した。
なんでも話せるような気がしたのが間違いだった。
俺はいつの間にかその男の家にいて、
セックスしていた。
先輩が言ってたこととは正反対の、
痛みや苦しさ
ただ溢れてくるものは涙と吐き気と自己嫌悪。
痛くて痛くて、
痛いと言ったら殴られ、蹴られ
俺の肌は傷と痣だらけになった。
次第に男の家に閉じ込めれていることに気づいた。
助けなんて来るはずがない。
俺には、両親も友達もいなくて、
俺を必要とする人なんて居ないんだから。
それから俺の体はその男がいないとイけなくなり
体自体がその男を求めるようになった。
こんな体の自分が醜くて仕方ない。
何度も死のうとした。
だけどその度にあの男が来て
俺を止めて、抱きしめて、
「お前がいないと生きていけない。愛してる。」
って言うんだ。
それと同時に俺の体に傷が増えたけど。
何回目か忘れた自殺行為
やっぱり来た。
今度はお仕置きで体が真っ青になるまで殴られた。
死ぬほど痛かったけど、この人以外に愛してくれる人はいない。
俺にはこの人以外の居場所がないんだよ。
ベッドに入った俺は意識を手放し、夢の中に入っていく。
ある綺麗な外の世界に男性がいた。
知らないけど若くてかっこいい男の人。
綺麗な肌は真っ白で、真っ黒の大きい目。
鼻筋は通っていて唇は薄い桃色。
キラキラ光る金髪。
その人は、俺に向かって微笑んで
「助けに来たよ。」
と聞こえない声で言った。
〜
夢か、なんの夢だっただろう。
思い出せない...
誰だ、知らない人。
俺に何か言った。
「助けに来たよ。」
そう言った。
金髪のあの人。
助けに?来るはずがない。
だって知らない人だ。
その時、俺の部屋のドアを誰かが開けた。
「え...」
その人は、夢で見た人にそっくりだった。
俺はゆっくりその人に近づいた。
透明に近い金髪はとても綺麗で
「助けに来ましたよ。」
予想とは違う、可愛らしい声でそう言った。
その言葉を聞いた俺の目からは涙が溢れていて、
それでも焦らずに俺の手を取った。
俺はなぜか行くのを拒んだ。
「行かないの?」
「俺には、住む場所もお金も...」
「大丈夫。僕がなんとかします。」
久しぶりの外は怖かったけど、この人とは大丈夫だと思った。
歩いているうちに景色が明るくなり、太陽が見えた。
何年ぶりかわからないけど、普通の木や家に感動した。
「あの、あなたの名前は...?」
「僕はまふゆ。まふまふって呼んでね。今日から君の家族になるんです。」
か、家族?俺に?
そう思ってる間にまふまふの家に着いた。
ピンク色で丸いキャラクターのぬいぐるみや、黒い猫のぬいぐるみが沢山置いてある広い家。
「そらるさん、お腹すいてる?」
「え...あ、うん...!」
久しぶりに名前を呼ばれてびっくりした。
なんで俺の名前知ってるんだろ...
ものの3分ぐらいで作られたオムライスは、多少形が汚かったけど、美味しかった。
「...偉かったね。ずっと1人で耐えてたんでしょ。」
そう言って優しく俺の頭を撫でてくる。
なんで、俺にそんなこと言ってくれるの...
「もう安心して、そらるさんは僕が守りますから。もう辛い思いなんてさせませんから。」
ただ俺はその一言が欲しくて。
気づくと目から大量の涙が溢れていた。
泣き疲れた俺は意識を手放した。
起きた所は天蓋がある白いベット。
真横でまふまふがパソコンを打っていた。
「あ、そらるさん。お風呂入ったら?」
「えっと、うん...」
そんな日々もなれ、俺は中学生になった。
「一ノ瀬くん、熱があるわ。もう帰りなさい。」
先生にそう言われ温度計を見ると38度
そうだ。まふに迎えに来てもらおう。
電話をかけたけど繋がらなかった。
心配になりすぐ家に帰った。
まふを探した。家の中にいない。
するとある違和感に気づいた。
いつも南京錠がかかっているタンスが開いている。
気になって中を見てしまった。
「ん...?なんで...これ、は...」
記憶が蘇った。入っていたのは血で錆びた時計。
母さんがいつもしていたもの。
なんでまふのタンスに入っているのか意味がわからない。
「そらるさんなんでいるんですか。」
「あ...」
いつも優しいまふまふが怖い。目に光がない。
「それはそらるさんのお母さんのものですよ。」
「なんで、なんでこれを持ってるの...」
なんとなくわかったけどわかりたくなかった。
「昔そらるさんのお母さんを殺した。彼女は過去に人殺しをしていた。僕は、殺人鬼を殺す殺人鬼なんです。」
まふまふが殺人鬼...
「なんで俺を殺さなかった...?」
「最初は殺すはずだった。でも殺せなかった。
君には悪いと思ったけどどうしても殺せなかった。
君の家を売ったあと、迎えに行くはずだった。
でも君はいなくなった。
全力で探した。でも見つからなかった。
何ヶ月か経って、見つからない理由がわかった。
君を監禁した男は、僕の父親だ。
住んでいる家にいるんだ。
見つからないはずだ。」
「殺したの...?」
「はい。父親も大量少年殺人犯だった。
君に飽きたら殺すつもりだったと思う。
ごめんね。
僕と同じような境遇になって、君のお母さんを殺して、君を監禁した男の実の息子で。
本当にごめん。」
俺の平和になるはずの人生が崩れる音がした。
まふまふが殺人鬼だとわかった今でも、一緒に暮らしている。
彼は俺を殺さないと約束したから。
そして一番の理由は、彼を殺すため。
今日それを実行する日が来た。
忘れたことの無い、俺の母が殺され、俺の人生が狂った日。
俺はいつもまふまふと寝ている。
彼が寝た時間も何となくわかる。
大丈夫。成功する。
彼が寝息を立て、寝たことを確認し、彼の首に手をかけようとした。
白い肌に金色の髪。
それに桃色の薄い唇に長いまつ毛。
眺めていると涙で視界が歪んだ。
なぜだか胸が痛くなる。
俺の涙が彼の頬に落ちると彼は目を開けて俺に優しく
「そらるさん...?寝られないの...?」
と優しく言うんだ。
どうすればいいのかわからなくなる。
「まふ...っ、なんで俺に優しくするの...」
「なんでって...好きだから?」
こんな俺に優しくしないで。
母を殺した貴方が愛しく見えてしまう。
この世界は
本当に残酷だ。
なんで彼を俺をこんな関係で出会わせたのか。
「まふまふなんか大っ嫌い...」
「ええ!?なんで!?!?」
「うるさい...」
彼が俺を殺さない理由がわかった。
同じ理由で俺も彼を殺せない。
大好き。嫌いなのに大好き。
いつか、殺そう。俺の手で。
その日までは彼と生きていく。
母さん、いつか貴女を殺したこの人を殺すから。
それまで待ってて。
君に愛と祝福を……To be continued
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