アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
15
-
龍也さん、心開いて欲しいって言ったけど、僕にとってそれは難しい事かもしれない...
今僕が信じてる人は、楓斗くらい。
親は信じてたのに裏切られた。
多分楓斗にまで裏切られたら僕生きていけないだろうな。
龍也さんになら話していいかもな。親の事。
「龍也さん...
とても嬉しいです。
でも、僕には少し難しいかもしれません。
僕の親の事、少し話しても良いですか?」
「うん。ゆっくりでいいからね」
やっぱり龍也さん優しい。
「僕の親は元々、普通の会社員と普通の主婦でした。でも僕が小3位の頃、母親が病気になってしまい、そこから2人ともおかしくなっていきました。
それまでは家族3人、仲良く暮らしていたんですけど病気になった頃から父親が夜帰ってこなくなり、仕事も辞めていたらしいです。
母親の病気は治ったんですけど、その時には父親はもう貯金も使い切ってました。使い切るだけじゃなく、多額の借金まで作ってました。
母親は父親に言われた「医療費にかかったお金で多額の借金ができてしまった。これから頑張って返していこう」って言葉を信じ、父親が遊んで使いまくったお金を返してました。
でも、一生かけても返せない事がわかったんでしょう。
だんだん、2人とも気力がなくなり、働く事も辞め家に篭ってました。
そして、僕を残して勝手に死んでいきました。
一通の手紙を残して。
その手紙には借金を返して欲しいって事がたらったらたらったら書かれていました。
そんな親でも大好きだったんで、絶対返し切ってやる!って思って100何万円かは返しましたよ。でもそろそろ限界を感じていました。
僕も自殺するところだった。
救ってくれてありがとうございます。
でも龍也さん。
感謝はしています。物凄く。
でも、母親が病気になってから仲良かった人たちにも軽蔑の目で見られて、人って簡単に裏切るんだって思いました。
今の僕には信じられる人が1人しかいません。
親友です。楓斗っていいます。
今はその人しか信じられません。
申し訳ないですが、龍也さんの事も今は信じていいのか不安です。
龍也さんめちゃくちゃ優しいし、僕の借金全部払ってくれて簡単に裏切る人ではないって思ってます。
でも怖いんです...」
こんな事全部話して大丈夫だったかな...
あれ。僕泣いてる?
なんか目の周りあったかくて鼻がツ-ンってなってる。
龍也さん。
この話を聞いてどう思ったんだろう。
えっ...
僕、抱きしめられてる??
「冬夜、今まで本当に辛かったんだな...
そんな人がこの世にいるとは思ってもいなかったし考えたことすらなかった。
冬夜が今でもどんな苦労をしたのかわかってあげられるのは相当先になるかもしれない。
信じてもらえるのも時間がかかるかもしれない。
無理に信じろとは言わないから、家族としてみてくれないか...?
冬夜の親みたいに冬夜を1人にしないから」
龍也さん...
龍也さんに抱きしめられてるの凄い落ち着く。
あったかいし、サイズ感も丁度いい...
「龍也さん、ありがとうございます」
「いつでも頼ってな」
「はい...」
結構時間かかっちゃったな。
もう7時だ。
取り敢えずご飯食べて落ち着こう。
「龍也さん、僕ご飯の準備してきます。」
「おう、ポトフ、俺にも少しくれよ」
「ぜひ食べてください...!」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 18