アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
無自覚なかわいさ〈hrnsr〉
-
sr.side
「なぁなぁみかるくん」
「なぁに課長?」
「それや!ほんまにかわいすぎんねん。」
ライブ後の楽屋。まだライブの余韻に浸ってるのに何をいってるんだ。
もう…勘違いしちゃうじゃん!
いい忘れてたけど僕は課長に片想い中。だから好きな人にそんなこと言われたらさぁ…
「あんまかわいいの振り撒かんといてや、心臓に悪い。」
なんでだろう。そんなにかわいいことしてないと思うんだけどなぁ。
『みかるさん!ちょっといいですかー』
ん?誰だろう。あんなスタッフいたっけ。まぁいいか。
言われた通りスタッフさんについて行く。なんでなにもしゃべらないんだろう。怒ってるのかな…
「あの…僕なんかしましたか?」
スタッフさんは身長が高くて僕は見上げる感じになってしまう。逆に僕の方を見るスタッフさんは怖い。
「あの…えっ…」
僕は急にスタッフさんに押し倒された。気づけば回りに人はいなくなっていて…嫌な予感がする。
「どういう…ことですか…?」
冷静に冷静に。スタッフさんはこけちゃっただけかもしれないじゃん。
『すみません。あの打ち上げ終わったらうちに来ませんか?』
謝ってくれたから転んだだけかと思ったら…どうしてスタッフさんのおうちにお呼ばれしてるんだろ。しかも転んだ姿勢のまま。
スタッフさんが僕の上に跨がって覆い被さってる状態。早く退いてほしい。顔近いし息荒くて気持ち悪い…
「あの…とりあえず退いてもらえませんか?…それと…スタッフさんのおうちにはいけません…」
するとスタッフさんが僕の服に手をかけた。
『貴方がいけないんですよ。こうなったら打ち上げにすらいけないようにしちゃいましょうか。』
今から僕がされるであろうことに震えが止まらない。嫌だ…助けて…
僕だって男なのにされるがままだ。涙まで出てきちゃった。
『泣かないでくださいよ。まぁ泣き顔も怯えた顔も素敵ですけどね。』
「おい。証拠は残したからな」
この声…
「お前がみかるのことしゃべんじゃねーよ。気持ちわりぃな。汚い手でみかるに触んな。さっさとみかるから離れろ。みかるは俺のだ。」
課長…?なんで…
「ごめんなみかる。見たこともないスタッフについてったお前が心配で…」
課長を見た瞬間もっと涙がこぼれた。好きな人が助けに来てくれた嬉しさと、男なのに自分で対処できなかった情けなさが溢れる。
『みかるさんはあなたのではない。付き合ってないじゃないですか。僕は今から…』
大きな音が響いた。
課長が壁を殴った音だ。
「聞こえなかったか?離れろっつってんだろ。
俺は初めてあった時からコイツに惚れてんの。努力家で天才で、けどなにかいつも抜けてて…
いつも周り構わずかわいさ振り撒いてさ。おまけに危機感ゼロだし。
俺結構アピールしてんのにきづかないし。
みかる、俺はお前が好きや。」
嘘でしょ…だって課長…
僕を助けるために嘘をついてくれてるのかな。
課長はスタッフを僕から離して、僕を抱き寄せた。
そこにみんなが警備員を連れて到着。スタッフさんは連行された。みんなは先に戻って課長と二人きりになった。
課長は乱れた僕の服を直してくれた。そして僕をまた抱きしめた。
そうだお礼言わなくちゃ。
「助けてくれてありがとう…僕のために僕のことが好きだなんて嘘までついてくれて。」
すると僕は課長にキスされた。
頭の整理が追い付かない。どういうこと…?
「俺は好きなやつにしか絶対キスしない。いいかみかる、さっきのは嘘じゃない。俺はどうしょうもないくらいお前が好きなんだよ。」
えっ…ほんとに…?
「それとさっきのキス拒絶しなかったよな…自惚れかもしれんけどもみかる、俺のことどう思ってる?」
「僕もずっと好きだった。」
「ほんまか…!嬉しい。両思いやな!!」
僕は幸福者だ。好きな人と両思いだったなんて。
「なぁみかる、俺と付き合ってくれませんか?」
返事は決まってる。
「喜んで。よろしくお願いします!」
嬉しすぎてまた涙が出てきた。
手を繋ぎながら楽屋への道を歩く。メンバーになんて言おうか。
「みかるくん俺の彼女になったからには俺が命に変えても守る。けど、俺すぐ嫉妬するからかわいさ振り撒くのはなるべく俺の前だけにしてくれ。」
彼女…嬉しい。
「わかった!がんばる!」
そういって僕は笑顔で課長に抱きついた。
「そういうの俺にだけにしてな!」
「えっ…?どういうの?」
「そういうの!!ほんとに危なっかしい彼女やぁぁ!!まぁいいや俺が守るから。」
かっこいいよ…///
そのまま手を繋ぎながら楽屋へ帰った。そしてみんなに僕と課長が付き合ったことを話した。
「やっと付き合ったんかぁ」というフルコンさんの言葉にゆげぽもフジくんもうなずく。
「課長、みかるは無自覚可愛い製造機なんやから、ちゃんと守ってやれな、泣かせたら許さんからな」
「もちろん」
なんだよ無自覚可愛い製造機って!!絶対フルコンさんあたりでしょ考えたの!!にしてもゆげぽお父さんみたい!
何はともあれ拒絶されなくてよかった!
それから、課長は僕のそばにぴったりついて回ることが多くなって、ちょっと過保護かなって思っちゃう反面、好きな人に守られて幸せだなぁって思っています。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
24 / 49