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大嫌い/なはずだ/った。〈hrnsr〉
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みかるくんの声一つでこんなにも変われたんだ、人生初の恋をしたんだ。
やっぱり俺はお前じゃなきゃだめなんだ。
イベントの日程表を眺めるみかるくん。俺も横から覗き込む。
「お前いつ出んの?同じ日?いつでもいいけとど。」
さり気なく聞いてみた。
「一緒がいいと思ってる?」
いつもの弄りであろうことは俺でもわかる。
一緒がいいに決まってるだろ。けど、時間は被ってほしくないな、俺のステージ見てほしいし。
「おんなじだよ!楽しみだね!!」
あーもう、かわいいんやて、勘違いする輩多いんとちゃう?俺だって…
「みかるくん、イベントでギター弾くから見に来てほしい。」
俺はみかるくんをさそうと、迷わずオッケーしてくれた。あぁやる気出てきた!!!
みかるくんはファンの声に混じって叫んでいた。
「課長!!かっこいいよ!!!」
その声が一番俺の胸に響いた。やっぱりお前の声が一番元気出る。
いつもよりしっかりギター弾けてる気がする。
前を見ているとみかるくんと目があった。目があって俺はみかるくんにピースした。
するとみかるくんもピースをしてくれた。あーもうかわいい。
俺の恋には大きな壁がある。みかるには好きな人がいるんだ。
俺のことはきっと仲のいい友達としか思われてるんだろうな。
でも俺は諦められない…
イベントの最終日、まるでお祭りのようにいろんなお店が出る。
「イベント最終日、一緒にまわろ。」
みかるくんを勢いで誘ってみた。
「回る人いないんだろ。」
「彼氏ヅラするの辞めてよ!」
彼氏ヅラか…彼氏になれたらな…
「課長!置いていくよ!一緒に行くんでしょ!」
一緒に行ってくれるんだ、お前のそういうとこ好きやわ。
俺らのこと噂して笑ってる奴ら…
『あいつら付き合ってんの?ww』
『まじかよww』
みかるくんの顔が曇った。
俺はいたずらにみかるくんの手を握って走り出した。
「ちょっと!!課長!!」
みかるくんがぽかぽか叩いてくるけど、正直全然痛くない。けど、いつもみたいな明るいみかるくんに戻ってくれた。
「どんなに辛いときも笑顔にしてやるよ。やっぱりみかるくんには笑顔が似合うってことだよ。」
「そんなのわかってる」
俺がみかるくんの手をひいて歩いていると、小さい声で「…ごめんね」と聞こえた。
イベントが終わって、5人で集まって飲みに来ていた。俺とゆげぽとフルコンさんが旅館に泊まる、俺は無理やりみかるくんとフジを旅館に誘った。
部屋は関西組3人。
フルコンさんやゆげぽは俺がみかるくんのこと好きなのは知ってて。
「課長諦めたほうがええんちゃう?せらさんはマリオさんのこと好きなんよ。」
フルコンさんが言った。
そんなの知ってる。
でも俺は生憎諦めは悪い方なんだ。
俺はみかるくんにラインをした。
〈今夜会える?〉
〈いいよ〉
〈聞いて〉
〈なに?〉
〈話〉
〈聞くよ。〉
そしてみかるくんと待ち合わせして二人きり。
「好きな人はいますか?」
俺はそう聞いた。続けようとしたとき、みかるくんは俺の気持ちを見透かして言った。
「僕は好きな人がいるの、ずっと好きなの。」
そう言ってみかるくんは走っていなくなってしまった。
わかってたけど…好きな人がいるって言ったあいつの顔は綺麗で恋してるって顔で…俺はあいつにあんな顔させてやる自信がなかった。
それから俺は、みかるくんのことを避けることが多くなった。
なんで俺、告白なんてしちゃったんだろう。
そしてバンドの練習中、みかるくんが想いを寄せているマリオさんが遊びにきた。
みかるくんは楽しそうにマリオさんと歩いていってしまった。
お似合いやな…
「課長、みかるはまだ知らんけど、マリオさん結婚を前提に付き合ってる相手がいるんやて。」
ゆげぽが言った。
「別にそれにつけ込めって言うてるわけやない。もしみかるくんが落ち込んだとき、一番助けてあげられるんのはお前しかおらんってことや。」
俺にそんな資格あるんかな。
そう思いながら歩いていると、みかるくんが走ってきて俺とすれ違った。
泣いてる…
きっとあいつが原因で泣いてるんだ。
「みかる!!!!!!!!!」
俺はみかるくんを追いかけて叫んでいた。
「ずっと変わらないよ。みかるくんが誰かを好きでいても。やっぱり好きなんよ。大好きなんよ!!!これからもずっと!!!」
俺はスタジオの裏で座っていたみかるくんをぎゅっと抱きしめた。
俺はみかるくんの耳元で呟いた。
“世界で一番かわいいよ”
「はぁっ!?///」
その時のみかるくんの顔は真っ赤で…
これは少しくらい意識してくれてもいいんじゃないか。
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