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僕を見つけて【ktysr】
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こちらkty(→→→)←←srの両片思いからの両想いENDとなってます!!
hrn.side
俺には好きな人がいる。それは同じバンドのメンバーで、天才で天然であざとかわいいと評されるキーボード担当のみかるだ。
初めてあったときから努力家で、優しくて俺と同じポンコツ属性な彼を何度可愛いと思ったことか。
「ねぇ、課長。課長って好きな人いるの?」
スタジオ練習の準備中、ふいにフジに聞かれた。興味ありげにフルニキもこっちに来た。
「好きなやつ、おるよ。」
俺がそう言うと二人は目を輝かせた。
「もしかしてヒラ?ヒヒララだもんね!!」
フジがそう言う。確かにひらっちのことは友達としては好きだけどみかるへの好きとは違う。
「そんなわけねぇだろ」
「図星め!!顔真っ赤や!!」
フルニキにツッコまれた。いやいや、顔真っ赤なんはみかるのことを考えてたからや。
『みかる!?』
どあのそとからゆげぽの声が聞こえた。そして誰かが走っていく音も。
もしかしてみかるに聞かれてた!?勘違いされるやんか!!まぁみかるは俺が誰が好きでもいいと思ってるだろうけどさ。
すると部屋のドアが空いた。
「お前ら話しの声がデカイねん。」
ゆげぽの手には自分の荷物とみかるのキーボードがあった。
「みかるは…?」
俺がそう聞くとゆげぽは首を傾げた。
「恋話聞いて泣きそうな顔して走ってった。いくら鈍感なヒラノくんでも理由はわかるよな。」
俺の恋話を聞いて泣きそうな顔して走ってったなんて、それじゃあまるで俺のこと好きみたいじゃん。
「俺は、前からみかるに相談されてたんや。ヒラノくんはどうなん?好きな人、ヒラじゃないだろ。」
「俺はずっと前からみかるが好きやった。多分みかるより前から。」
「じゃあ戻ってきたらちゃんと告れや。きっと落ち着くまで一人でいたいんやろうから。みかるは練習時間はきっちり守る。」
ゆげぽはそう言って俺の肩を叩いた。
「課長ごめんね。俺のせいで拗れさせちゃって…」
「俺もや。ほんまごめん。」
フジとフルニキが俺に頭を下げた。茶化しただけで俺がそんな怒るわけないのに。もともとはもっと早くに気持ちを伝えなかった俺のせいや。
俺は緊張しながらみかるが戻ってくるのを待った。
「せらさん、戻ってくるの遅ない?」
フルニキが時計を見ながら言った。練習開始まであと数分だ。みかるが練習に私的な理由で遅れるのは絶対しないことは、俺達が一番知っている。
電話を鳴らしてもコール音しか響かない。
「ここ、あんまり使わない練習用のスタジオだから、もしかしたら迷っちゃったのかも…」
そうだ、ここはいつもと違うスタジオだ。俺も来るのは2、3回目だから部屋に来るとき、フジに着いてきたもんだ。
「ヒラノくん、行ってこい。練習は先に個人練習始めとく、一時間時間をやるから、探し出して告ってこいや。」
ゆげぽに背中を押された。一時間、もしその間に見つからなかったら全員で探すことを約束に、俺は楽屋を飛び出した。
“何かに巻き込まれていたら?”
“誰かに誘拐されていたら?”
そんなこと考えたくない。
俺は無駄を承知でみかるの携帯を鳴らし続けた。
どこにいるんだよ。頼む、無事でいてくれ。
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