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お兄ちゃんの彼氏。弟×兄
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「悠兄っ……!」
ドアを勢いよく開けて、許可もなく俺の部屋に入ってきたのは2つ下の弟、禅だ。
「…何だ?そんな慌てて…」
俺はヘッドホンを外し、椅子を回転させて禅の方を向いた。
いつも、何か困ったことや頼みたいことがあると俺の部屋に来るが、許可なく、さらにこんなにも慌てて来たのは初めてで何か重大なことでもあったのかと、俺は少し心配になっていた。
「…あ、のさ。…えっと…」
言うのを躊躇っているようで、かなり重大なことなのかと思案していると、禅は俯きがちに口を開いた。
「彼女が出来た」
「…お、おぉ…」
禅は、俺と血が繋がってんのかと疑うくらい顔が整っていて、背も高い。
そのせいで小学校、中学校のバレンタインは禅に渡してくれ、と持ち切れない程のチョコレートや手紙を腕に、複雑な心境で帰路についたものだ。
昔からそんなモテていた禅だから、彼女が出来たなんて不思議なことじゃない。
「…で、だからなに?」
というか、一体何人目だ。俺は椅子を回転させ、再びパソコンに向かった。
「…彼女が、その……」
俺なんて彼女出来たことねーのに、何で弟のノロケ聞かないといけないんだ、と口にしようと背中越しに禅に視線を移すと、かなり焦った顔をしていた。禅には少し甘い俺は続きの言葉を待ってやろうと思ってしまう。
「…せ、せっ、くす…したいって友達にこぼしてたらしくて…」
「…は?」
何て話だ。何で禅は俺にこんな話をするのだろうか。
「俺、まだ高2だし…どういう流れ、とかでいけばいいのか…」
むしろ、彼女が出来た場合について俺が知りたいくらいだ。
「…俺、彼女とか出来たことねぇんだけど?そんなん知らねぇよ」
呆れたのと、少しの苛立ちで語気が荒くなる。
「ちが、あの…」
俺の態度に戸惑った様子で、少し泣きそうな顔をした禅に、俺は罪悪感を覚えた。
「…じゃあ、なに?」
数秒の躊躇いの後、禅が言った言葉は。
「悠兄に…彼女役、でシミュレーションを…」
何を言ってるんだ。俺でシミュレーション?何が楽しくて彼女役なんか、大学1年の男がやるのだろうか。
「俺、友達に草食系って言われてて、どうせ…ヤれないんだろーって賭けまでされたんだよっ…」
「悠兄…おねがい!!!俺、彼女のしたいことしてあげたいんだ!!!」
だが、必死に訴えてくる禅が可哀想に思えてしまい、俺はしぶしぶOKを出したのだった。
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