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アデルバートと過ごしたことで回復した俺は城に戻った。
本当は戻らない方がいいのだろうけど、カイが直接迎えに来たから、戻らないわけにいかなかった。
今のカイたちは俺が半人魚ってことも忘れてるから、アデルバートのところにいつまでも世話になる理由もつけられない。
「……ルナ様、本日からは私の管理の元で生活していただきます。お食事、日中の行動に関しても全て、私が管理致します。」
馬車の中で突然そう言われた。
「……っ、いいですっ……ちゃんと、しますから。あなたは国王陛下についていてください。」
「……いいえ、これは国王陛下の命令です。」
エリックの、命令。
もしかして、もしかしたら、少しでも。
俺の事を、心配してくれた?
「っ、ーーっ……」
嬉しい。
どうしよう、嬉しい。
もしそれが、面倒くさがりながらだとしても、嬉しい。
今泣いたら、ダメだ。
絶対宝石が零れちゃう。
「……ルナ様?」
「は、はいっ……」
「……はぁ、とにかく、そういうことですので。おひとりでは行動なさらないよう。私か、ディランにお声かけください。」
「…わかりました。」
「ひとまず本日はお戻りいただきましたらお食事を。そのあとは城の中でしたらご自由に過ごして頂いて構いません。城外に出る場合は午後から。私か、ディランがお供致します。夕食までにはお戻り頂き、お食事。その後はお好きな時間に入浴していただき、お休み下さい。」
「わかりました。」
*
夕食と入浴を済ませ、部屋のバルコニーに出る。
少し肌寒い。
「なにをしている。」
ハッとして振り返ると、そこには、エリックがいた。
いつも隣にいるヴァネッサはいなかった。
突然のことに、声を絞り出せない。
「そんなところに出て、また体を壊すぞ。」
心配、されてる。
嬉しい。
久しぶりだ。
こんなふうに、話しかけられたの。
「……おい、聞いているのか。」
「は、はいっ……き、聞いております。」
「ならば早く、こちらに入れ。」
「はい…」
部屋の中に入ると、エリックにグイッと引き寄せられる。
「えっ?!」
驚いている間に、唇を奪われた。
「んっ?!ん、んんっ、ぅ、んん!」
乱暴にかき回される口内。
前とは違う、愛のないキス。
「んんっ、んむ、んぅ、んん!!」
抵抗しようにも、腕を掴まれて、壁に押し付けられるとどうにもできない。
やっと離されたと思うと、ベッドに投げられる。
「国王陛下っ、なにを……!」
バスローブの中をまさぐられ、無理やり高められる。
「やっ、ぁ、やめて……」
なにも言わないエリック。
強引な手つき。
恐怖で手が震えた。
下に手を伸ばされたその時だった。
パシン……と乾いた音がして、ハッとした時にはエリックの頬が赤くなっていた。
「……お前……なにをする?」
「……それは、こちらの……セリフです。」
「お前は俺の側室。俺がどうしようと勝手だろう?俺に触られて嬉しがるならまだしも、俺をぶつ、だと?俺がお前にも触れてやると言ってるんだ。喜べよ?」
「っ……愛が、ないなら……何もしないで。」
あまりに変わってしまった。
エリックとの行為は、温かくて、幸せなものだったのに。
「……は、なにを…」
目が合ったエリックは、驚いた顔をして、黙った。
部屋を飛び出し、走った。
東の塔の、1番上。
エリックが俺のために作ってくれたその部屋の、大きなベッドに、俺は項垂れた。
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