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ヒトと獣と 26
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漸く動けるようになったセテフが腰を動かしている。
それほど激しい抽挿ではないが意識を取り戻したアキラを喘がすには十分だった。
白い四肢がセテフの身体に絡みつく。
「ラー…最高だ…堪らないよ… 」
セテフの剛直は衰えを知らない。
所詮は獣人。
獣と同じゅうするもの。
捕食系の最高位の一角を担うジャッカルの欲望は尽きる事を知らない。
そして、祖先から淫蕩な血を受け継ぐアキラも一度覚え込まされた性的快楽を手放す事など出来なかった。
「セティ…きもちイイよ…もっと… 」
「 ‼︎ 」
“ 頂戴 ”の言葉が紡がれないうちにセテフの手が細腰にかかり、指が喰い込むほど強く掴むと激しく律動する。
アキラの、セテフを強請る甘い喘ぎが止むことはその意識が途絶えるまで無かった。
セテフは以前の己の宣言通りアキラの世話を焼く。
夜もかなり更けた時間に摂った軽い食事も、その後の湯浴みも付きっ切りで介添える。
湯浴みでは…また、繋がった。
膝の上に乗せて対面座位で。
口づけを交わし、喉を甘噛みして愛を確かめ合う甘々の時間を分かち合っていた。
「ラー…ラー…私のラー… 」
これに続く言葉は口には出さない。
アキラを困らせるだけだと分かっているから。
『…離さない。誰にも渡さない。』
sideセベク
あちらの方から『預かって欲しい。』と言っておきながら結局、こちらにはよこさなかった昨夜。
濃密な前夜を過ごした分、憖じ期待してしまったのか胸がモヤモヤする。
老女に様子を伺わせたところ『閨の間に籠っておられる。』という返事が返ってきて、余計悋気する。
愛しい人を取り合うなど今まであり得なかった俺のすべてを変えた伴侶、【アキラ】
暫く前から何か落ち着かない空気を感じてはいた。
気配を伺うと “ 渡し ”を使って何者かが上陸したようだ。
このような早朝に珍しい。
一体誰が来た?
バタバタと足音をたてて老女が飛び込んで来る。
「何事だ? 」
俺が冷静でいられたのはここまで。
振り返って、血相を変えた老女を見て
『何か。』が起きたと直感した。
「アキラか⁉︎ 」
老女が膝まづいた。
激しく動揺しているのか目尻に光るものが見てとれる。
「お…奥方様が、奥方様が発熱されたとの事。
只今、クヌム殿が参られました。」
震える声を絞り出すように報告しているその内容を最後まで聞いていなかった。
テラス側から飛び出すとセテフの客間のある棟へ向かって駆ける。
「あの野郎!一体何をした⁈ 」
閨の間の手前の居間で佇むセテフと対峙した俺の頭にはすっかり血が上っていて、質問より先に手が出た。
伸ばした腕は的確にセテフの頸を捉え、締め上げる。
※注釈
今回の本文中 “祖先から淫蕩な血を受け継ぐ〜 ”とあります。
これは人物設定にあるアキラの母方の家系に関連します。
彼の母堂は公爵家令嬢で三代前の当主は王族でした。
中世から続く王族の淫蕩な血は確実にアキラにも受け継がれていた訳です。
因みに末席ですが王位継承権保有者です。
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