アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ヒトと獣と 36
-
siedアキラ
結論から言うと、熱は下がって平熱になっていた。
身体が怠かったり腰が痛かったりするがこれは熱のせいではないだろう。
昨夜のアレは…現実なのか⁈
汗をかいて熱を下げる、というのを聞いた事はあったが今回は正にそれにあ
たるようだ。
しかしその汗のかかせ方に問題がある。
寄ってたかって貪った、あの連中はクヌム師とデンウェンからこっぴどく説教されたとか。
結果オーライだったからよかったものの、ウイルス性の病気だったらとか考えるとゾッとする.
siedデンウェン
セベクに託されて抱き込んでいた小さな身体。
俺達有鱗種独特の低い体温が気持ち良いのかあちらから身を寄せてくる。
そしてその身から汗や組み敷いていたもの達の残り香と共に、なんともいえない甘い香りが漂ってくる。
なるほど…これは堪らないわ。
水分を摂らせるように言われていたのでちい姫さんの身を起こそうとして…やめた。
おもむろに杯の中の水をあおり口移しで与える。
小振りの喉仏がゴクリと動いて無事に嚥下出来たようだ。
もう一度与えてみると同じように嚥下し、そして俺の咥内に舌を差し込んできた。
“ 誰かと間違えている。”
わかっているのにやめさせられない。
ヤメラレナイ…
舌を絡めあい、吸いついて、咥内を弄る。
ねっとりと濃厚な口づけをして唇を離した。
この時俺は、自分もこのちい姫に嵌った事を自覚して自笑した。
河向こうから大仰な見舞いの一団がやって来た。
シリスだ。
新たに整えられた寝所の扉をくぐるとアキラの横たわる褥へと駆け寄った。
幾つかの枕に背中を預けて半身を起こしているアキラの手を取り、その甲に口づけする。
「アキラ…殿…
心配しました。
お熱が下がらないと連絡をいただいて居ても立っても居られず…
本当に… 」
言葉に詰まったシリスの目からは涙が一筋溢れ落ちる。
アキラの小さな手を両手で握りしめて何度も何度も口づけを繰り返す。
『… 悪いヒトではないのだ… きっと。
想いが強すぎるんだ…たぶん。』
シリスの両手にもう一方の手を添えて持ち上げて、アキラはシリスの指先にそっと口づけを落とした。
「 ‼︎ 」
「ありがとうございます。
もう熱はさがりました。
クヌム師のお許しがでるまではこのままですが… 」
アキラと同じヒト族の、アキラとは比べものにならないくらい大きな手が肩にかかり背に廻され抱き寄せられた。
「… アキラ… 」
シリスの唇がアキラのそれに重ねられる。
“ ちゅっ、ちゅ ”と口づけて、そして離れていった。
また抱き寄せられて彼の胸にしな垂れかかったアキラの旋毛に唇をつけると
強く、強く抱き締める。
「愛しています。いとしい方。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
63 / 1203