アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
砂漠の悪魔 17
-
後ろから包み込むようにして抱いて惰眠を貪っていたセテフは、腕の中の妻が身じろいだ気配で目を覚ました。
繋がったままとった暫しの休息。
己の剛直は今もみっちりと蜜壺に咥え込まれ、新たな刺激を求めて猛っている。
引いて、突く。
「あ、あーーっ…… 」
深く溜息をついたセテフはアキラの片脚を持ちあげ側位から松葉崩しで攻めた。
朝もそれなりの時間になっているのに起き出して来ないふたりを心配して、デンウェンを伴ったセベクがセテフの滞在している棟に足を運ぶ。
近づいて、建屋に入らなくてもわかる粘着質な水音に二人は顔を顰めた。
しかし好奇心が先にたつ。
特にデンウェンは興味津々で、気配を殺すこともなく堂々と入室していった。
気づいているはずなのに素知らぬ顔でアキラを貪るセテフ。
セベクは苦笑するしかない。
デンウェンは…… 夢中で魅入っていた。
昨日、河辺で見た様など比べものにならないような、ちい姫の隠微な姿。
甘い体臭と雌の香りにあてられる。
「っ…… 」
わざと激しく突き込んでアキラが善がる様を見せつけるセテフは底意地が悪いとしか言いようがない。
そして、デンウェンも……恋狂う。
セベクとデンウェンが揃って寛ぐ居間。
そこにつかつかとセテフが入って来る。
後から思えばもうこの時点でセベクには何か感じるものがあったのだろう。
その手は傍らのナイフに伸ばされていた。
セテフの歩調が早くなり、背中に手をやる。
後腰に差し込まれていたナイフを抜き取るなり、いきなり振りかぶってセベクに切りかかった。
「一体、何だ‼︎ 」
セベクは僅かに鞘から抜かれたナイフの刃でセテフの襲撃を受け止めたが、セテフはそのまま押してくる。
デンウェンは最初のショックから立ち直ると仲裁に入ろうとするが、如何せん二人とも腕がたちすぎて隙を見切れない。
セテフからは先程まで隠されていた殺気が迸る。
「アキラを連れて行く。」
地獄の底の怨嗟のごとく低い、冷たい声。
「何を言ってるんだ⁈ 」
反動を利用してセテフの刃を弾き返したセベクは尾を出そうとするが……
部屋が狭すぎて尾が使えない!
セテフの事だ。
そこまで計算して、この居間にいるところを襲って来たのだろう。
鞘を捨てたセベクと再び当たり合う。
黒曜石の刃からは当たる度に火花が散り、動き回る二人によって部屋の中の物が散乱する。
「離れ離れになるのが辛いとアキラが泣く! 」
『やはりちい姫絡みか。』
デンウェンは妙に納得した。
射千玉のセテフは流石だった。
もう壮年にさしかかっていた筈だが長年
“ 戦神 ”と呼ばれてきた男。
僅かな衰えも見せず鰐王セベクを追い詰めていく。
尾の使えない鰐人は完全に不利で、押され気味のセベクの敗戦は……濃厚か?
デンウェンが本体である蛇竜へと獣化していく。
彼にとってこの獣化は自分の身を守る為でもあった。
みるみる巨大化していく彼は部屋一杯になり、二人の動きを止めてから言う。
「少し冷静になって、俺の話を聞いてくれないか?
もし、話を聞いて納得できなければ、その時はもうとめないから。
外で、どちらかが倒れるまでやり合えばいい。」
最後の投げやりな物言いに、眉をひそめてセテフがナイフを仕舞う。
「ちい姫の為だと、いったよな?
ちい姫が離れ離れはイヤだと、泣いたと。
それはセベクに対しても当てはまるのと違うかな?
アヌビスへ連れ帰ったとしても、今度はセベク恋しさに泣く。」
ハッとするセベク。
セテフはそんな彼を睨みつけている。
「中立の俺からの提案がある。
多分、この妥協案が最良だろう。
そのかわり、俺の頼みを聞いて欲しい。」
嫌な予感がするセテフだが聞いてみない事には先に進まない。
「俺がちい姫の騎竜になろう。」
「俺の飛行速度ならアヌビスまででも半日かからない。
俺が送り迎えすればいい事じゃないか?」
「で?貴殿の要求は? 」
「夫君としての権利の行使と、守護夫の地位。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
85 / 1203