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砂漠の悪魔 25
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4人の為に床几が用意されていた。
まずアキラを降ろし右隣に鰐王が腰を降ろす。
左隣にはセテフが座り、アビスは後ろに護るように立っている。
その周りを鰐人の護衛とアヌビス軍の尉官が取り囲んでいる。
端から見ても異常以外の何でも無い。
sideアポピス
暖かい飲み物でも渡されたのだろう。
繊手が布から出されセベクから杯を受け取っている。
セテフは兵から受け取った外套を着せかけてやっていた。
『信じられない‼︎
あの二人が何者かを世話しているなんて。』
アビスは前に片膝をつき何事かを話しかけている。
あれは?
広大な砂漠の地平線に黄金の光が走る。
日出【にちしゅつ】だ。
歓声をあげて真ん中の小さな生き物が立ち上がった。
反動で落ちた布から顕れたのは、日出の光を浴びて黄金に輝く髪の子供。
セテフが外套を肩に着せかけ、後ろから抱きすくめた。
繊首や頬に唇が触れている。
何かムカムカした嫌な気持ちになった。
これは?
一体何なんだ?
太陽がすっかり姿を現して砂漠の様相が変わる。
夜の死の世界から昼の生の世界へ。
暗闇の黒から紫へ。
段々とオレンジがかって来て、日出のその瞬間は黄色に染まりサンドベージュに落ち着く。
残酷だが優しい。
猛々しく繊細。
そんな砂漠の色々な顔やオアシスの美しい緑、地下水源の水の道など一緒に見て廻れれば愉しかろう。
あの子と。
その様な事をつらつらと考えていて、自分の姿を隠していた影がなくなっていた事に気づくのが遅れた。
いつの間にか金色の子供がこちらを見ている。
二人の視線が絡み合って。
魅せられてしまった、
ここからでも解る蒼い瞳。
今、私は恋に落ちた。
sideアキラ
散々な我が儘だったのにアビスは叶えてくれた。
セテフもセベクも尽力して連れて来てくれた。
「ありがとう。」
胸の奥がじんと熱くなり瞳がうるうるして来た。
涙を堪えようと視線を上げたその先、岩山の上に白い人影が見えた。
一体いつから?
もっとよく見ようと身を乗り出そうとしたら、突然視線が合った。
緋色の眼が見つめている。
その人は眩しそうに目をすがめると一瞬ののち、居なくなってしまった。
幻じゃ無いよね?
三人の夫達に心からのありがとうと口づけを捧げる。
今年も初日の出を観る事が出来た。
涙が溢れ落ちる。
泣き出したアキラに最初に気づいたのはアビスだった。
「どうした?」
蛇の王は城に戻るとあの子供についての情報を集め始めた。
彼の知りたい事は一人の古老が全ての答えを持っていた。
あの子は天女だという事。
男だという事。
私にも顔合わせの招待が来ていたという事。
そんな報告は受けていない。
「脱皮の時期でございました。」
チッ、間の悪い。
sideアポピス
もう一度逢いたい。
覗き見るだけでもよい。
胸の高鳴りを抑える事が出来ずにいて、とうとう我慢の限界で。
本体に変化して地中を進む。
もう撤収しているかもしれないという不安は杞憂に終わった。
しかし様子がおかしい。
兵達が遠巻きに様子を伺っている。
微かな嬌声が聞こえて来る。
「‼︎まさか!」
小型化して天幕の端に顔を出した私は信じられないモノを目にした。
小さな白い身体に三人の獣人が群がっている。
恐怖、憤怒、嫉妬。
渦巻く感情はとても言葉には言い表せない。
こんな幼い身体をこともあろうに三人で蹂躙して、殺す気か⁈
繋がっているセテフに揺さぶられ啼くあの子にアビスとセベクが口づけ、舌を這わせている。
「セティ…きもち…い…ぃ…」
セティって…
このふたりはそういう仲という事か?
ジャッカルが、それも射千玉のセテフが他者に愛称で呼ばせる事などあり得ない。
正式な番だという事か。
sideアビス
新しい年は波乱含みで明けた。
ホームシックで取り乱すアキラを取り敢えず落ち着かせようと抱いたがそこに叔父上と鰐王が加わって4Pになってしまった。
そして思いもしなかった見物客。
二人とも気づいているはずなのに放置して益々激しく貪っている。
見せつけてんのか…?
意地の悪い。
アヌビスの里に戻った後も饗宴は続く。
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