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悪魔の恋情、死神の慕情 21
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「ラー、そこに座りなさい。」
閨の間でのセテフとはまったく違う、緊張感の漂う様子にアキラは怯えた。
「大丈夫、怒ってる訳ではないから。」
セテフは少し……疲れた笑みを浮かべた。
常にはない事だ。
アキラは益々不安になる。
「近々、デンウェンと鰐王がやってくる。
今日明日の予定だったが、手間取っているようだ。
アビスは村の守りを固めるため今回は留守番、という事になる。」
『何か、自分には想像出来ない様な事が起きている……。』
アキラは手を握り締め、唇を噛んだ。
「ラー…… 」
大きな手が伸びてきて指をほどかれ、唇には口づけが落ちてきた。
対面して膝に乗せられ、逞しい胸にぴったりと抱かれる。
「ラーは我々が、理由があって駄目だと言っていても言う事を聞かない、困ったさんだ……。」
「ごめんなさい。」
「今までは……言えば怯えるだろうからと言わずに居たが、今回はそんな悠長な事を言っていられなくなった。」
アキラの背を撫でていた手が止まる。
「ラー、ラーの生まれ育った世界と比べてここはかなり危険な所なのだよ。」
セテフの唇が旋毛に押しつけられる。
「クシュの……鰐王の領地で、今まで護られて来たラーにはピンとこないかもしれないが、元々我々獣人は弱肉強食の生き物なのだよ。」
「うん。」
「数世代前までは我々も獣とたいして変わらない生活をしていた……鬣犬は今でもその傾向が強い。
どう動くか……想像がつかない。」
己を見あげるアキラの頬を両の手で挟んで……口づけた。
「私は……ラーを失う事など……考えられない……
ラー、約束して欲しい。
今回は黙って言う事を聞く、と。」
「うん。わかった。
どうすればいいの? 」
セテフが浮かべた笑みはホッとした様子だ。
「館から出ない事。
部屋も窓のない所に用意させている。
暫く不自由かもしれないが我慢して欲しい。」
「わかった。ごめんなさい。」
アキラが頭をグイグイと己の胸に押しつけてくる。
セテフは両腕を交差させてアキラを抱き込んだ。
衣の中に手を入れ滑らかな肩を弄る。
こめかみに唇を這わせ……溜息をついた。
「ラー、オアシスで会った鬣犬……
どんな奴だった? 」
冷たい手が触れて意識が浮上する。
ベッドに入った時、傍に座って髪を梳いてくれていたのはセテフの筈だ。
「 ? 」
この手は身体が憶えている。
「セベク? 」
「起こしたか? 悪い。」
壁際に置かれた燭台の仄暗い灯りで、セベクの男らしい顔立ちが浮かび上がる。
「いつ着いたの? もう朝? 」
身体を起こしたアキラの手を、半ば強引に掴むと荒々しく抱き寄せた。
頤を捕まえ……喰いつく。
夜着は肩から落とされ、弄る指は身体中を巡り、アキラの身体に火を灯す。
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