アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
悪魔の恋情、死神の慕情 29
-
挿入の衝撃に白い喉を仰け反らせる。
虚ろな目からは涙が溢れている。
投げ出された腕はピクリとも動かないが、ヴァジェトを迎え入れた蜜壺は蠕動と締めつけを繰り返している。
「アキラ……。」
随分と久しぶりの、男性体での交合。
天女の身体は素晴らしかった。
弛緩してすべてを委ねてくる愛し子の腰を抱えなおし、射精に向かう為に抽挿する。
純粋に愛し合う為だけならどれほどの愉悦を感じられただろうか。
だが今は……
私は彼の身体から完璧な解毒をしなければならない。
ネフェルテムが注ぎ込んだ毒の正確な量がわからない為“ 上書き ”するしか方法が無いのだ。
“ 上書き ”それは危険を伴う治療法。
最後の手段と言って過言では無い。
私は心を “ 彼の治療 ”をする事に残して、ともすれば溺れてしまいそうになる自分を戒めながら絶頂に向かっていった。
コブラ毒の中和薬になる私の体液……今回の場合は粘膜からの摂取となる為、一番効果の高い精液を……射精する。
それにタイミングを合わせて……正確には射精の僅か前に致死量をはるかに越えた量のコブラ毒を注入する。
……私の精液はネフェルテムの毒もろともすべてを解毒するだろう。
そして完璧な毒への守護をもたらす。
アキラの蜜壺は、まるで神経毒など関係ないと言わんばかりに私の二本の男根を、これでもかと締めつけ翻弄してくる。
今、私が優先すべき事はまず射精ありき。
そのはずだった。
だが私は今まで体験した事のない悦楽を感じてしまう。
「ああ……アキラ……堪らないよ…… 」
私は……溺れる……
永い年月生きてきて、それなりの経験もしてきている。
その私がこの体たらく。
ネフェルテムなどひとたまりもなかっただろう。
……天女に群がる夫達の気持ちが……わかる気がする。
ヘミペニスの片方が蜜壺の奥に狙いを定めた。
小刻みな抽挿でS字の括れを穿ちさらにその奥を伺う。
括れの入り口をキ頭で刺激すると、わななくように痙攣した男膣に締めあげられた。
“ 射精る! ”
華奢な頸に毒牙を立てるのと、精液を迸らせるのは、ほぼ同時だった。
頸の血管を伝って心臓へと運ばれていく。
コブラの毒がアキラの身体に吸収されていった。
肺が侵されて呼吸が止まってしまう、その瞬間、緩やかにしかし完全に中和されていく。
虚ろに開かれていた目に光が戻り、そして閉じられる。
甘い喘ぎの混じる吐息を口づけで塞いで、ヴァジェトは射精し続けていた。
粘度の高い精液を腸壁に擦りつけて塗りたくる。
何かを探すように差し伸ばされた手を絡め取り褥に押しつけた。
……いつか孕ませたい……
「やはり、こういう事だったのですね?」
何の気配も感じさせすに現れたのは白銀を纏うもの。
「アポピスか…… 」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
137 / 1203