アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
悪魔の恋情、死神の慕情 57
-
「ラー……水分を摂った方が良いのではないかい?
私が飲ませてあげよう。」
老女から杯を受け取ったセテフは、口をつけて中身をたしかめる。
「蜜水だね。……まずは水の方が良いのでは? 」
「セテフ殿。
アキラの世話は我がします。」
長旅でお疲れでしょう……と、新たに運ばれてきた水の入った杯を取り上げるヘデデト。
セテフとヘデデトが睨み合った視線は、もしも目に見えたなら火花が散っていただろう。
綺麗な顔を歪ませて笑むセテフと、本来はセテフよりも年上のヘデデト。
今度はこの二人が一触即発だ。
「ねえ……二人とも僕の話を聞いてた?
伝染るって言ってるのに口移しってあり得ないでしょ? 」
アキラの寝所は大勢の客で賑やかだ。
だが、アキラは目醒めてからこちら、身じろぎもせず横たわったままだ。
それが今回の病状が深刻な事を表していた。
セテフの目には心配そうな影が宿り、歪められた眉間の皺が焦りを表している。
やおら、漆黒の腕が伸びてアキラを抱き起こした。
「辛い?」
「関節が痛い…… 」
夜になり、混乱しきったヘデデトがセベクに詰め寄っていた。
セテフはアキラの元に残り、今ここにいるのはアビスとクヌムを含む4人だ。
勿論、ヘデデトは本来の青年形態をとっている。
「一体何が聞きたいのか順序立てて言ってくれ。
隠し立てはせん。」
セベクはヘデデトを睨めつけて、きっぱりと言った。
「我は今……困惑している。
昼間からの、一連の……ええい……!
あいつらは一体何なんだ ‼︎ 」
アビスが馬鹿にしたようにクスリと嗤う。
「あんた本当に何も知らないのか?
俺やあんたと同じアキラの夫たち…… 」
「馬鹿な! 何人居ると思ってる⁉︎ 」
ヘデデトは驚愕で青くなった顔を震わせる。
「あれで全員では無い。タウエレトやシリスにはまだ知らせていないし、まだ繋がった事の無い奴も、名目のみの連中もいる。
手加減してやらんと壊れるぞ。」
ヘデデトは知らなかった。
オアシスで、その姿を見かけて一目惚れした。
どうしても諦められなくて後を尾けた。
そして……欲しくて欲しくて……
漸く手に入れて……思いがけなく受け容れられて、有頂天になった。
だが、確かにセベク、セテフ、アビスとアポピスの事は知っていたものの、それ以外は……
「まさか……まさか…… 」
ヘデデトは唇を噛み締め、身体を震わせて……
そして絶叫した。
セテフが褥に乗り上がり、アキラに跨って覆い被さっている。
組み敷いた両手の指を絡め唇を重ねて舌を絡めあっていた。
「んん……っ……ん…… 」
アキラのあらわになった桃色の乳首に攻撃を定めたセテフが唇を離した瞬間、アキラは漆黒の逞しい胸を押し退けようとする。
「セティ〜 伝染ったらどうするの〜 」
「ラー。」
思いのほか真剣な眼差しで見つめてくるセテフにアキラは戸惑いを隠せない。
「ラー……私は自分の命など惜しくはない。
私が一番大切なのは、ラー……あなただ。
ラーの為ならこの命、いつでも捨ててみせる。
愛しているよ……私のラー……。」
「セティ ‼︎ 」
ふたたび覆い被さり、膝を割り開く。
アキラの腕がセテフの首にまわされて……
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
165 / 1203