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彷徨うもの 2
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セテフの悋気。
ホルとの濃密な接触の後、ふたたび上がりかけた熱に呑み込まれるようにふたりは繋がろうとした。
だが……それは突然現れたセテフに阻止される。
恐ろしい表情を浮かべたセテフに、アキラの上から剥ぎとられたホルはそのままテラスから放り出されたのだ。
「ホル ‼︎ 」
慌てて褥から降りてホルの元に向かおうとするアキラの細腰が掴まれて、褥に引き戻されて押さえつけられた。
「ラーは私の名前だけを呼んで居ればよい。」
常日頃の優しく甘い声ではなく、ある意味こちらが通常のセテフの声なのか、周りの空気を震わす冷え冷えと醒めきった声。
「ラーは私と約束した筈だ。
……今宵は私と共に居る、と。」
「ああ……ごめんなさい……。」
アキラの身体から力が抜けると同時に、腰を掴んでいたセテフの手からも力が抜けた。
「ラー……この私の気持ちを、これほど掻き乱せるのはあなただけなのだよ。」
いつものセテフの甘い囁きにアキラの心は揺れる。
「セティ……ごめんなさい。」
心の何処かにホルの事を残しながらも、セテフの抱擁に身を任せるアキラ。
そしてその事に気づいているセテフ。
その場から、セテフの “ 影 ”に連れ去られていったホル。
今、この場では歪な三角関係だが、他の夫……アビスやヘデデトが絡んで来るとなると想像のつかない出来事が……最悪アキラを傷つけかねない事が起こるかもしれない。
セテフは焦る。
「ラー……あなたをこの場から掻っ攫ってアヌビスへ連れ帰ろうか?
私の館に閉じ込めて……一歩も出さぬ……
ああ……そんな事が出来ればどれほどよいだろう…… 」
いつものセテフに戻った途端、優しすぎるほど優しく、丁寧すぎるほど丁寧にアキラに対する愛撫が始まり……アキラは何も考えられなくなる。
アキラの弱いところなど、知り尽くすほど知っているセテフの執拗な大人の手管にアキラは翻弄されて蕩かされる……
身体中にセテフの口づけを受けて、善くて善すぎてアキラは融けた。
「ああ……セティ…… 」
胡座をかいたセテフの膝に跨って、対面座位で嵌めて抱き合っているふたり。
唾液が溢れて零れるのも構わず口づけを交わし合ってお互いの咥内を犯している。
「ラー……愛してる……愛してるよ…… 」
ぎこちなく動くアキラを助けながら、緩やかに腰を突き上げて啼かす。
……白い喉を仰け反らせて喘ぐ様を見て、思わずその喉に牙を立てたくなる……
惑溺のセテフは何もかも忘れて愛しのひととまぐわいあう。
「アキラ殿はセテフ殿と寝所ですか? 」
ネフェルテムを連れたヴァジェトがセベクの居間に現れた。
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