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彷徨うもの 26
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「待って、アキラ…… 」
自らの手でアビスの剛直を導いて、受け入れようとしているアキラにアビスはそっと言った。
「このままじゃ無理だよ……。
第一おまえ……ここんとこ何日かシてないだろう?
十分に慣らさないと入らない。
裂けちまうぞ? 」
アビスの言葉にアキラは真っ青になった。
思えばその “ 作業 ”は相手に任せる事がほとんどで……ヘデデトのときは……ほとんど繋がりっぱなしの後での事だった……。
「アキラ……もういいから…… 」
「でもアビス、このままじゃ辛いでしょ?
お口でシてあげるから…… 」
「アキラ! ……大丈夫だから……
頼むからこうして…… 」
素早く自分とアキラの腰布を整えたアビスは、寝椅子に背を預けて深く座り直した。
膝に跨ったままのアキラを抱き寄せる……
締めすぎないように注意を払って右手は背中に、左手は腰に回してアキラを自らの胸に閉じ込めた。
「こうして……このまま居させてくれ……
おまえの身体の暖かみを感じさせてくれ……。」
アキラの側頭部に顎をつけるようにして、ただグイグイと押し付けてくるだけ。
自分からは口づけすらしようとせず、ただただ “ 接触 ”を求めてくる。
様子が変なアビスにアキラは不安を感じていた。
「どうしてシないの……? 」
少し悲しそうな顔をしたアキラが、上目遣いで見上げてくる。
アビスは今日はじめて、柔らかい笑みを浮かべてアキラの金色の髪を撫でた。
……日本人の血が入っているからか、アキラの髪質は西洋人のそれよりも細くて滑らかだ。
その髪に指をくぐらせ……手櫛で梳く。
抱き込んだアキラの頭頂に顎をつけて話しだした。
「アキラの事が嫌いになったわけでも、怒っているわけでもない。
俺はまだ……興奮しきっている。
もし、このままアキラを抱いたら引き裂いてしまうかもしれない……
叔父上もアポピス殿も多分一緒だよ。」
そうでなきゃあのエロ親父が、アキラを俺に任せて居なくなったりするもんか……と続けたアビスは普段のアビスだった。
ホッとして広い背中に腕を回す。
……爪で傷つけてしまう事も多々ある、アビスの背中。
目を瞑って、暖かい懐にすっぽりと包まれて……アキラは思い出していた。
アビス……
何もかもはじめてのセベクの後、翌日に引き会わされた二人目の旦那様。
その日から変わりなく、誰よりも情熱的に愛してくれるひと。
あまりにも近くに居すぎて、まるで兄弟のようで……
ヘデデトにかまけてアビスをおざなりにしていた……
アキラは反省する。
「アビス、ごめんね。」
「うん……
アキラ……もう少しこのまま…… 」
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