アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
彷徨うもの 28
-
「precious…… 」
タウエレトに抱かれて、アポピスに与えられた居間に行くと寝椅子に座ったままのアポピスに出迎えられた。
そのままタウエレトの腕からアポピスの腕に渡される。
「どこにも……怪我はありませんでしたか? 」
抱き寄せた……その腕で背中や太腿などに触れてくる。
いつもならそのまま淫靡な戯れに移りそうな手つきなのだか、今回は確かめるだけ確かめるとあっさりと手を引いた。
「アポピス…… 」
「それでは俺は……暫く席を外す。
アキラ……また後で。」
タウエレトが出ていった途端、アポピスの手に力が篭り、長衣の裾からは信じられない事に蛇の尾が伸びてきた。
「ふふ……吃驚しました?
いきなり変化して巨大化したでしょう?
まだ戻りきらないのですよ…… 」
スルスルと伸び続ける尾が床で波打ち、くねりながらその先がアキラめがけて上ってくる。
様子を見るように一瞬止まった尾先がアキラの腕に、腰に絡みついて拘束した。
「少し静かに……私の話を聞いて下さいね。」
「私の可愛い困ったさん…… 」
尾が……腕が、絡み締め上げる力が段々と強くなりこれ以上は息が出来なくなる寸前に……力が抜けた。
愛しいものの肌を愛でるように擦るように、ふたたび動き出した蛇体を巻きつかせてアキラは只々唖然と見上げている。
「あなたは私の大切な番だ……
もう……愛しくて愛しくて堪らない……
……離れているのが我慢ならないくらいに。」
語尾に向かって段々と低くなっていった声は突然終わりを迎えた。
目を閉じて、アキラの額に唇をつけ何かを考えていたアポピスが、突然眼を開いた緋色の瞳の虹彩が邪悪な黒に染まっている。
「このまま連れ帰ってしまいたいのを、どれだけ苦労して抑えているか……わかりますか? 」
アキラの背中に嫌な汗が流れた。
自分にとっては、只々優しいアポピスが本来の蛇族の本性を現そうとしている。
「ああ……思いきって仔を孕ますのもよいかもしれませんね…… 」
“ 私と私の仔だけのものに出来る…… ”と続けた。
……アポピスは一体何を言っている?
仔を孕ませるなんてそんな馬鹿なこと……
「馬鹿な事など言っておりませんよ?
アキラ…… 」
細頸に卑猥な口づけをして、二股に分かれた舌で耳を嬲る。
シュルと舌が翻る音が聞こえ顔が離れていく。
「私は卵核を持っている。
それをあなたに産みつけて精子を注ぎ込んで受精させる……
別に特殊な事ではありませんよ?
ヴァジェト殿や……ヘデデト殿も可能でしょう。」
“ だからアキラ……これから仔作り致しましょう…… ”と、にっこり微笑まれてアキラは悲鳴をあげて意識を失った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
196 / 1203