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彷徨うもの 70
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鬣犬たちは、先程まで目の前で行われていた饗宴を信じられない思いで見つめていた。
酔い潰れて、眠ったふりをしてこっそりと覗いていた……それは……
一際巨大な河馬人が天女に取り付いたとき、その直前まで交合していたジャッカルの叔父甥のときよりも大きな衝撃を受けた。
まるで、大人と赤子ほどの体格差のあるふたりが繋がろうとしている。
河馬人の、そのゾッとするほど巨大な魔羅が小さな尻に呑み込まれていく……
弛緩しきった身体は柔軟に拓いて傷つくことはないようだ。
……そして、それに続くまぐわい。
激しく抽挿するわけではない。
むしろ緩やかに出し入れしているだけなのだが、天女のその蕩けきった艶貌に心奪われる。
同時に先程から反応しっぱなしの自らの魔羅が、羨望から悔しさの涙を流す。
ふいに身を起こした河馬人が、繋がったまま胡座をかいて天女を乗せる。
その頃には意識を取り戻していた天女が、甘い溜息とともに自ら動き始めた。
白濁にまみれ、濡れ光った河馬魔羅が出這入りする様を嫌というほど見せつけられて鬣犬たちはホゾを噛む。
「アキラは寝所に引き揚げたそうだ」
報告を受けたセベクが誰に言うともなしにそう呟いた。
「俺もあいつの顔を見てから引き揚げるとするか」
立ち上がったセベクが退出していく。
アポピスとヘデデトが意味ありげに……視線を巡らせている。
タウエレトはすぐにセベクを追っていった。
クヌムもそれに続き、残された者たちは所在無げにしている。
鬣犬たちにはハニが何事か話しかけて……それは彼ら二人だけが逗留を延ばす事を依頼されたわけで、二人は勿論承諾した。
……あの、小さな天女と新たな縁を結ぶ事を夢見て。
一人また一人と減っていく大広間で、今にも取っ組み合いが始まりそうな二人……
アペデマクとネフェルテム。
わざと離れて座っていた二人だがセベクやアビスが居なくなった事で均衡が崩れつつある。
原則、この大広間には得物は持ち込めないのだが、この二人なら小ナイフで十分だろう。
睨み合いながら、互いに間合いを計っていた二人の首元に、太い腕が同時に回され締め上げられる。
「坊ちゃんたち……何しようとしてたのかな〜? 」
「デンウェン殿! 」
「デンウェン様⁈ 」
二人よりも頭ひとつ大きなデンウェンが最後にもう一締めして腕を離してやる。
瞬時に飛び退って距離をとるふたり。
デンウェンはやれやれ……と思う。
「セベクに坊ちゃんたちの面倒を見るように頼まれたんだよ……喧嘩しちゃ駄目だよ〜 」
「鰐王様が? 」
「そう……これからよろしくね? 」
「でも、俺は…… 」
アペデマクが踵を返そうとすると、素早く伸びてきた手に髪を掴まれる。
デンウェンの顔つきと共に口調が変わった。
「一番最初に言っておく。
ちい姫は夫同士の諍いを何よりも嫌う。
たった今、坊やたちがやらかそうとしていた小競り合いもだ。
ちい姫を悲しませる奴は……それが誰であろうと……この俺が許さない」
いつもの軽い雰囲気が消え失せて、その場に居るのが怖気を振るうほどの殺気が漲るデンウェンの鋭い眼差し。
若い二人はその場で承知するしか無かった。
渋々と合意する二人に温かい目を向けるデンウェンの爆弾発言に二人は仰天することになる。
「それから〜
ちい姫ってあれで結構ヤキモチ焼きなんだよね〜
だから〜女の影は絶対駄目だよ〜
バレたら即、夫君追放だよ?
御国御前なんてとんでもないからね?」
目を丸くするアペデマク。
同じく、目を白黒させているネフェルテム。
「まだ少し早い話だったかな?
でも気をつけてあげてね?
それから……
年の近い君たちは、ちい姫を挟んでかけがえのない友になる。
それこそ親友と言えるほどに……
これから……ちい姫を支えてあげてね? 」
二人の若君は即座に頷いた。
アキラの寝所では変わらず……
黒獣が白い細腰を掴まえて腰を振っている。
獣独特の高速の腰使いに華奢な身体が折れそうに翻弄されていた。
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