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愛しいひと… 14
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あの、忌まわしい【太古の婚姻】が行われた日から、かれこれ10日が経とうとしていた。
慎重に、慎重に経過を診てきたクヌムから危惧されていた事態は去ったのだと、アキラの腑は正常に戻ったのだと聞いて、夫達はどれほど安堵した事だろう……
しばらくは通常の生活も控えめに……特に、ときには激しすぎる交合の方はまだまだ許可出来ないと、クヌムが鬼のような形相で釘をさしたことを特筆しておく。
過保護な夫達が、眠っているとき以外は誰かが付き添っているような、そんな状態。
今現在はアビスが一緒に居る。
室内の篭った空気を嫌い、水辺の風の通りの良い、いつもの木蔭に直に褥を設えて、片方を軽く立てて脚を投げ出した状態のアビスの股座に、横向きですっぽりと収まるように抱かれているアキラ……
緩々と背中を摩られて気持ちよさそうに凭れているそのさまはアビスの事を信頼しきっている証。
アキラが、自分よりも随分高いところにある顔を誘うように見上げていると、欲しいものはすぐに与えられた。
背中で動いていた手は肩で止まり力が篭る。
もう片方の手は、僅かに膝立ちになったアキラの双丘に添えられ、すぐに揉みはじめた。
「あ……ん…… アビス、駄目……」
「わかってるって」
悪戯っぽく笑ったアビスがアキラの身体を軽々と持ち上げて、太腿に跨らせて座らせた。
臀部の下に手を差し入れて、抱くようにして密着しているふたりの身体。
アビスの唇はアキラの口角を啄ばんで、啄ばんで……
合間に囁かれるのは自分がどれほど愛しているかという言葉。
「……だから、早く良くなれ……」
ひときわ長い口づけの後、アビスから解放されたアキラの、そのよく回る口が早速行動を開始する。
「ね? 僕……今朝からずっと思っていたんだけど……
セティ……セティはどうしてるの?
昨日の朝に会ったきり……
ずっと姿を見ていないのだけど」
その瞬間、アビスの眉尻が僅かに吊り上がった事にアキラは気づかなかった。
それは、気づくすべも無いほど小さな変化なのだが当のアビスにとっては……
アビスには珍しい大きな吐息をついて、その同じ口から堅い言葉が漏れる。
「……叔父上……?
アキラは俺の腕の中で、俺に抱き締められているのに……他の男の名を呼ぶわけ?」
「えーと……アビス?
僕、そんなつもりで言ったんじゃ……」
「じゃあ、どんなつもりで言ったの?」
おもむろに、ふたりの体勢が入れ替わり、アビスが凭れていた大木の幹に、アキラの背が押し付けられた。
膝立ちのまま、戸惑うアキラの顔の横……左耳ぎりぎりのところに、アビスの右手が勢いよく置かれ樹皮に爪が食い込む。
「アキラ」
頤を掴み視線を合わせてくるアビスは、表情も……目も、笑ってはいない。
「俺……すっごく傷ついたんだけど。
おまえの誠意で慰めて欲しいんだけどなァ?」
大きな目を目一杯見開いて、瞳をくるくる廻らしている。
一生懸命考えているのだろうアキラが行動に出た。
……密着している身体を少し押し返して、手を伸ばした先はアビスの腰布のなか。
小さな手が肌に一番近い下帯をくぐって “それ ”に直にふれたとき “ それ ”は一気に芯を持った。
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