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「…俺と同じなのか」
有坂の言葉にコクコクと何度も頷く。
零れ落ちる涙をぐしぐしと手で擦ったら、その手を取られる。
もう片方の手が愛しげに俺の頬に触れて、流れ落ちる涙を優しく指先で拭ってくれる。
「俺が触れても嫌じゃないか?」
「…嫌じゃない」
「本当に俺と同じ意味で、好きだって言ってくれてるんだな」
拭ったはずの涙が、ぼろりとまた流れ落ちる。
「――好き。いっぱい愛してくれ」
そう言って有坂へと手を伸ばしたら、すぐに両手が俺の身体を力強く抱きしめる。
目蓋や額に唇を押し付けられて、近い距離でじっと目を覗き込まれる。
どことなく切なげに有坂の瞳が揺れたと思ったら、すぐに唇を奪われた。
押し付けるように何度かキスをしてから、また俺の目を覗き込む。
「好きだ。…ずっとお前が好きで仕方なかった」
伸びてきた手が俺の両頬を包み込む。
酷く熱を持った目に見つめられて、心臓がどんどん速くなっていく。
「…何度結城が俺を好きになってくれたらと望んだか分からない」
そう言って有坂は愛しむように俺と額を合わせる。
待ち望んでいた有坂からの愛情に、頭が痺れるような熱を持ってしまう。
「…ほんとか?有坂も俺のことずっと考えてくれてたのか?」
「ああ。結城の事をずっと想っていた」
有坂の言葉に心臓が震えて、発熱したように顔が熱くなる。
俺もずっと有坂のことだけ考えてた。
有坂に出会ってから、有坂のことしか考えてない自信がある。
夢見心地のような気分で有坂をぽーっと見つめていると、とろりと落ちた目元に唇を押し付けられる。
それからもう一度確かめるようにしっかりと抱きしめられた。
「…有坂、好き」
うわ言のように呟くと、すぐに顔を上向かされて唇を奪われる。
さっきまでの押し付けるようなキスではなく、唇の隙間から舌が入り込んでくる。
「…っふ」
きつく舌を絡め取られて、ビリビリと背筋に甘い痺れが走る。
もう何度目か分からないけど、有坂とのキスはいつだって気持ちよくて堪らない。
堪らず力が抜けて腰を落とすと、有坂も追いかけるように腰を落とす。
完全に玄関先に座り込んでしまったが、有坂は気にすることなく俺にキスをする。
貪るようなそれに酸欠になって、それでも止められずお互いの舌を必死に絡ませ合う。
「…っはぁ、熱い」
心臓が壊れそうだ。
有坂に可愛がられることはすごく幸せでめちゃくちゃ心臓がドキドキするけど、同時に頭がいっぱいいっぱいになってしまう。
目が回ってくらくらする。
「ん…っ、有坂。待って…」
「もっと可愛がらせてくれ」
そう言って有坂は俺の言葉を聞かずに、腰を引き寄せてはキスをする。
濡れた音を出して唇や舌を何度も吸い上げられて、吐いた息すらも逃さないとばかりに唇を塞がれる。
やばい。
こんなのやばすぎだ。
可愛がってとは言ったけど、急激に注ぎ込まれる愛情に頭がついていかない。
「…っあ、有坂」
「…ん、なんだ」
堪らずグイと服を引っ張るが、有坂は返事をしても止まらないといったように俺にキスをする。
ずっと我慢していたんだというように貪られて、だけど時たま可愛いがるように唇や顎をカプリと甘噛みされる。
指の先までビリビリと痺れて、もう身体が蕩けてしまいそうだ。
「も…ちょっと待って…待って…」
「…結城?」
くたりと有坂にもたれ掛かってしまう。
むせ返るような甘ったるい愛情は驚くほど気持ち良くて、ふにゃりと力が抜けてしまう。
「…ああ、こんな場所ですまない」
俺の様子にふと気付いたように有坂が顔を上げる。
それから戸惑う事なく俺を抱き上げた。
突然の浮遊感に驚いたが、愛しむような有坂の視線が落ちてくる。
甘くて優しい瞳はずっと俺が求めていたもので、どうしようもなく甘えたくなってしまう。
前にもお姫様抱っこでベッドまで連れてかれたことがある。
あの時はめちゃくちゃ可愛がられた後エロいことされてあっさり爆睡したけど、もしかしてまたアレをされてしまうのか。
今日こそ最後までしてしまうのか。
部屋に連れてかれると、ベッドに優しく降ろされる。
ふわりと洗濯物みたいな有坂の匂いがして、ぴしっと整えられたシーツが沈み込む。
きっとこのまま有坂が俺の上に乗り上げてきて、まためちゃくちゃ深いキスをされてしまうに決まってる。
それからたくさん触られて可愛がられまくってエロいこともされて、絶対世界一愛されてしまうに決まってる。
ちょっとの緊張とかなりのドキドキと結構のワクワクでウズウズしながら、ギュッと目を瞑る。
「……あれ?」
が、なかなか有坂は俺に手を出してこない。
パチリと目を開けると、不意にずいと目の前に携帯を差し出された。
いきなりなんだ。
「まずは家に連絡を入れてくれ。俺が側にいながら結城の帰りが遅いと、御家族に心配をかけさせる訳にはいかない」
さすがは有坂。
こんな時まで律義かよ。
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