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脱出
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リードには密かな企みがあった。
それは正騎士の試験を勝手に辞退するというもの――。
しかし通常、このセルシオ国では、14歳から19歳までの準騎士は本人の意志で入隊するかしないかを決められるが、20歳から25歳までの正騎士は、本人の意志に関係なく、絶対入隊が決まりとなっている。
元々組織の下で働くことが嫌いなリードは、準騎士を断り、今もこうして正騎士の適性試験をすっぽかそうとしているのだ。
もちろん、そんなことをすれば重い罰が下されるのは目に見えている。
それを回避し、そしてある重大な目的のためにリードはこの夜、酒場に足を運んでいたのだった。
ここには大勢の船乗りがたむろしている。
リードはその中に身を置き、素知らぬ顔をしてはずっと彼らの話に耳を傾けていたのだ。
そして今も、近くにいる船乗りの会話を盗み聞きしていたのだが、ゆっくりと忍び寄ってくるポルタの魔の手に、リードはまったく気づいていなかった。
なんと、リードがイスの背もたれに肘をつき、背後の会話に気を取られている隙に、ポルタが突然ツナギの胸元に手を入れてきたのだ。
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