アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
人質
-
「おい、なんかさっきこん中から人の叫び声がしたようなんだが…」
「なにィ!?」
ふいに荷物置き場の船室外から、2~3人の話し声が聞こえてきた。
どうやら先程のポルタの叫び声が外まで漏れたらしい。
つくづく足手まといな奴、と舌打ちするリードだったが…今更だ。
戸が開くと同時にリードは荷物の陰に身を隠した。が…
ポルタの巨体は咄嗟に隠れようがなかった。
「おい、みんな来てくれ!!怪しい男がいるぞ!!!」
中に入って来た男がすぐにポルタを見つけ、もう一人の男が仲間を呼び、どやどやと船底が騒がしくなる。
リードは勘弁してくれよ、と心の中で一人毒づくのだった。
そして――
リードとポルタ、2人してゆっくりと両手を上げ、のっそりと立ち上がる。
(てめぇ、後で覚えとけよ)
リードは小声でポルタにそう吐き捨てた。
ポルタはポルタで、苦笑いをして見せるだけだった。
そこへ、「荒くれ者たちのボス」という言葉がぴったりの強面髭づらの先導者が現れ、一言冷酷に告げる。
「2人とも、甲板に出ろ」
リードとポルタは素直にそれに従うしかなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 195