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人質
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「仕方がないです。あなたは私の所有物になったのですから」
あっさりと言い放つフランツにムッとするリード。
「人を勝手に物扱いすんじゃねーよ!オレは誰のもんでもねー!」
「クスッ…確かに鼻っ柱は強いですね」
おかしそうに笑うフランツに、リードは益々ムッとするのだった。
「これ外せよ」
椅子に縛り付けられた手足を、無駄だとわかっていながら外そうとするリードだったが、当然縄が緩むことはない。
あの荒くれ者たちから救ってくれたことは確かに有り難いと思っていたが、縄で縛られるという理不尽な扱いを受けている今、むしろフランツの方が一癖も二癖もあるのではないかと密かに警戒していた。
「すみません。あなたが暴れては困るというので、船長に拘束を解かないようにきつく言われているので…」
申し訳なさそうに言うフランツだったが、リードの中の懐疑心は弱まることはない。
「それに…」
何やら意味ありげに言葉を続けながらリードに近づいたフランツは、その顎に手をかけ上向かせると、鋭い漆黒の瞳を見つめた。
「あなたに聞きたいこともありますしね」
そう言ってフランツはニッコリと笑ってみせるのだった。
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