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怪しい宿屋
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昼時――町は人の波で大賑わいだった。迷路のように入り組んだ通りには、無数の露店が並び、旅人たちが足を止め、見入っている。
旅人には必需品の小道具から、武器、防具、掘り出し物まで、より取り見取りだ。
その中を、リードとポルタがサルージの後を黙々と着いて行く。人の波を掻き分けるようにして進むのだから、ちょっとでも目を離せば見失いそうだ。
サルージはさらに奥へと進んでいく。そして賑わう表通りからまるで隠れるようにひっそり静まり返る裏路地へと入っていくと、そこには何やら柄の悪い男たちが2~3人ずつぽつんぽつんといて、それぞれが立ち話をしていた。
その前を通り過ぎる度、男たちは話をやめ、リードを値踏みするように上から下までじっくりと見つめる。その視線はどこか卑猥なものだった。
リードは男たちをあっさり無視するが、ポルタはあからさまな男たちの視線にムッとする。
しばらく進むとやっと宿屋に到着したのか、サルージがある建物へと2人を招き入れた。
宿屋――とは程遠い、どこか陰欝な感じのする2階建ての掘っ建て小屋だったが、その外観とは相反して中はこざっぱりとしていて意外と小綺麗だった。
薄暗く年季の入った古ぼけた階段を上がると、案内されたある一室…そこがどうやら今晩の宿部屋になるようだが、中に入った途端、ポルタの顔がパアッと輝く。
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