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怪しい宿屋
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しかし――
次の瞬間、サルージのその手がピタリと止まる。
なぜなら、リードの見開かれた不敵な目が、しっかりサルージを捉えていたからだ。
ギクリと一歩後退るサルージと男たち。
そしてリードと、悶々としながら起きていたポルタは同時に布団を跳ね退けベッドの上に立ち上がる。
「オレの身体に触れた代償は高くつくぞ」
剣を構えたリードはニヤリと笑いながらサルージたちを睨みつけた。
「そうよそうよ。好き勝手言ってくれちゃってさ。リードはあたしのモノなんだから、誰にも渡さないわよっ!」
ポルタはサルージたちに向かって舌を出し牽制し、リードの背に愛おしむように頬ずりをするが、反射的に拒否反応を示したリードの肘がポルタの鼻を見事に直撃し、鼻血を出しながら苦悶する。
「お前たち、飯を食べなかったのか?」
サルージは側のテーブルにランプを置くと、宿屋の主人としての穏やかな顔を一変させ、低く冷めた声を響かせた。
「ああ。食べ物に薬が混ぜられてるのは薄々わかっていた。オレは最初っからあんたの事を信用してなどいなかったからな。用心のために昼間寝ておいて良かったよ」
リードは余裕で笑う。
――が、サルージもどこか余裕めいた笑みをこぼし口を開く。
「馬鹿な奴らだ。この宿に足を踏み入れた瞬間からお前たちはすでに捕われの身なんだよ」
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