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怪しい宿屋
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「ど、どこ行くのよ、リード!」
いきなり速度を上げたリードに、ポルタは必死に着いて行く。
リードの頭の中にはポルタの言葉も、追っ手のことも何もなかった。
ただオマリのことだけ…
オマリに似た少年の存在がリードを強く引きつけたのだった。見失うまいと、迷路のような路地を我を忘れたように走り抜ける。
少年の足は早かった。
体力に自信のあるリードが追いつくのがやっとだった。
しかし――
リードはオマリのことを思うあまり、ミスを犯していた。
少年が意図的に路地を走っていることに気づかなかったのだ。少年の足はどんどんと逃げ場をなくす狭い通路へと入り込んで行く。
それに気づいたポルタが、
「リード!なんかおかしい!」
注意を促すが、リードの耳にはまったく入らない。
そして――
とうとう少年は行き止まりまで来てしまった。
もちろん、追っ手もすぐ側まで来ていた。
少年は足を止め、目の前の壁を見つめる。リードも同じく足を止め、少年を見つめた。
――と、ふと、外灯に映し出された少年の後ろ姿が小刻みに揺れる。
「ククク…」
少年は笑っていた。
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