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惑わしの森
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しかし、その笑い声に微かな記憶を呼び起こされたリードは、なぜか動揺し始める。
笑い声は徐々にリードに近づきつつあり、次の瞬間――
すぐ傍に気配を感じたリードは、ハッとして目線を落とした。
その途端、動きは完全に封じられ、両目は驚愕のため大きく見開かれる。
リードの目に映ったもの――
それは…
オマリの姿だった。
いや、正確に言えば、11歳の頃のオマリ。
その姿は7年前にいなくなった当時のまま成長していないオマリの幼い姿だったのだ。
「オマ…リ…?」
何かの幻に決まっているはずなのに、目の前に映るオマリはその口から懐かしい声を響かせる。
「久しぶりだね、リード…」
笑いながら見上げるオマリの幼いその顔に、リードは完全に釘付けになっていた。
こいつはオマリじゃない――
リードの中で警戒心が募る一方、心の片隅にしこりのように残る罪悪感が頭をもたげ、剣を引き抜く事が出来ない。
それがわかっているかのように、目の前のオマリはニヤリと笑うと、まるで何かの呪文のようにリードに向かってフッ…と息を吹きかけたのだった。
すると、今まで普通に立っていたリードの身体が、いきなりその場に崩れ落ちた。
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