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惑わしの森
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深い霧が少し晴れ、辺りが視界に入るようになると、そこに姿を現したのは、オマリ…
いや、オマリの姿をした少年――
いや、霧が晴れるにつれ、小さな影は大きな影となり、その姿は少年から大人へと徐々に変化していき、最後には一人の見知らぬ男となったのだった。
「変化の術…?」
リードを抱きしめたまま、ポルタが呟く。
男は2人の前に立ちはだかると、
「私の名はサラマ」
不敵な笑みを浮かべそう告げた。
どこか落ち着いた感じの紳士風に見えるが、油断は出来ない。
なんとか身体の自由が利くようになったリードは顔を上げ、男――サラマを見上げた。
「オマリ…じゃないのか…?」
分かっていたこととはいえ、その瞳はひどく落胆したように微かに揺れていた。
「悪いな。俺は誰の姿にも変えられるんでな。オマリ様の昔の姿を少し拝借したんだよ」
「オマリ様…!?」
サラマの言葉にリードはすぐさま反応した。
「あんた…オマリを知ってるのか!?」
抱きしめられたポルタの腕から逃れるようにリードは身を乗り出す。
サラマは少し口を滑らせたな、とでも言いたげに僅かに口元を緩ませると、リードに向かってこう言い放った。
「ロッシュ・リード、俺と一緒に来てもらおうか。将軍の命令なんでな」
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