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惑わしの森
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「我々と一緒に来てもらおうか。抵抗すれば容赦なく殺す」
青年の声は容姿同様、美しい低音を響かせてはいたが、その殺気は凄まじいものだった。
抵抗すれば、確実に喉を掻き切られるだろう。
リードは相手を刺激しないように、手に持った剣を静かに下ろし、戦う意志がないことを態度に見せた。
人質をとられた形となったポルタも、仕方なく無抵抗に徹する。
するとすぐに周りの木々に身を潜めていた男たちが、手にした弓矢を背中に収め、リードとポルタの側に用心深く集まって来る。そして2人の首と手首と足首に鎖のついた拘束具を嵌めていくのだった。
暴れないための用心だろうが、何もしていないのに、これではまるで罪人のようだと、心の中で深いため息をつくリードだった。
それから2人は鎖を引かれ、そのまま銀髪の青年の後に着いていく。
ジャラジャラと揺れる重い鎖の音が、リードの耳には酷く耳障りに聞こえて仕方なかった。
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