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初めての感覚
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意図せず、下半身に、熱が蓄積されていく。
でも、今までに会ったΩに感じた繁殖本能のそれとは違う気がした。
声が聞きたくなるような。
触れたくなるような。
会いたくなるような。
抱き締め、愛でたくなるような……。
初めての感覚に、脳がついていかない。
叶わない欲求が、心を掻き毟っていく。
暴走気味の欲望が、身体を熱く沸き立たせる。
両手で股間を押さえ、机に顔を伏せた。
バタバタと煩いくらいの足音を立て、教室に戻ってきた想汰に、ちらりと顔を上げた。
「たかっち、どうした…の?」
まるでΩの発情期のような俺の様相に、想汰の声が動揺を露わにする。
刹那の沈黙を挟み、再び想汰が口を開いた。
「お前……βじゃなかったの? Ω…なの?」
どうしていいかわからないというように、想汰の手は、空中でおたおたと動き回っていた。
「発情期じゃねぇよ。βでも、ましてΩでも、ねぇ……」
3択の選択肢から、2つが消えれば、自ずと俺はαであると語っているようなものだ。
大概、近衛の名前を聞けば、αだと察しがつきそうなものだが、名前を聞いても、βだと信じていた想汰は、根っからの天然なのだろう。
「頼むからさ。落ち着くまで、ちょっと離れててくんねぇ?」
何をしでかすかわからない自分に、想汰を、遠ざけようと試みる。
苛立ちによる暴力か、欲情による強姦か。
性欲を晴らすためのセックスに、性別など関係ない。
突っ込める孔さえあれば、それでいいのだ。
今の俺は、何をしでかすか、自分でも見当がつかなかった。
……こんなこと、初めてだ。
「いや、でも……」
こんな状態の俺を置いていけないとでも言うように、困惑の色を乗せる想汰の瞳。
ほぼパニック状態の想汰は、ほんの数歩離れた場所にしゃがみ、俺の顔を下から覗き込む。
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