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気付かないはずがない < Side神田
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僕は、とうとうやってしまった。
生徒を、誘惑してしまったんだ……。
激しくなってきた発情期。
垂れ流された僕のフェロモンに、近衛を惑わせてしまった。
償えない罪が、重く重く圧し掛かる。
教師として、大人として、僕は、近衛を守るべき立場に居るのに。
ベッドにうつ伏せたままに、枕に顔を埋めた。
近衛のペニスが抜かれた孔からは、生温かい粘液が、どろりと溢れ出る。
手近にあったティッシュを手にした近衛は、僕の尻を適当に拭う。
「あんまり嬉しそうじゃないね?」
汚れたティッシュをゴミ箱へと放った近衛は、僕の髪をふわりと掬い囁いた。
「[運命の番]に抱かれたのに……」
続いた近衛の言葉に、僕の身体は硬直する。
[運命の番]………?
僕が、わからないなんて。
そんな馬鹿なことがあるか?
[運命の番]と触れ合えば、嫌でも気づくはずだ。
これだけ触れて、交わって、気づかないなんてコト、あり得ない。
αは、Ωのようなフェロモンを放っているわけではない。
直に接触しなければ、Ω側が確信することは稀だ。
でも、これだけ濃密に交わって、全く感じないなんて、あるはずがないっ。
「気付かないはず……っ」
慌て紡ぐ言葉に近衛は、あからさまな溜め息を吐く。
[運命の番]は、自然と引き寄せあい、自然と寄り添う。
こんなの自然でも、なんでもない。
気を失った僕から漏れた発情期のフェロモンに、近衛が拐かされただけじゃないか。
僕は、ゆるりと身体を起こし、ベッドの上に、ぺたりと座った。
「運命なんかじゃない。単に、僕の発情期のフェロモンに惑わされたたけだろ……」
無表情のままに、焦点の合わない瞳で、縒れたシーツを眺めていた。
「薬、飲みすぎたんだろ?」
近衛の言葉に、眉根を寄せ、怪訝な瞳を向ける。
「そのせいで、わかんなくなってるんだ」
近衛は、ゆったりとベッドの端へ腰かけた。
「ここまで運んだ九良だって、平気だった」
そうだ、僕は授業の真っ最中だった。
授業中に倒れ、九良に運ばれたのか……。
「俺じゃないと気付かないよ。その微かなフェロモンじゃ……」
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