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揺らぐ理性
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濡れた唇を、近衛の親指が拭っていく。
口端に到達したその指を、僕は、ちろりと舐めた。
淫靡な空気が、僕たちを包んでいる。
近衛の中指が、僕の顎をくっと押し上げた。
閉じられた唇に、僕は、喉奥に停滞している液体を、こくりと飲み下す。
上下する喉仏に、顎を押し上げた近衛の指先が、するりと滑り落ちた。
「そんなエロい顔されたら、治まるもんも治まんねぇんだけど?」
吐き出したはずなのに、近衛のペニスは、萎えることなく硬く上を向く。
唾液と精液に塗れいやらしく濡れ光る肉棒は、新たな涎を垂れ流す。
パタパタと鳴り響く幾つかの上履きの足音が、耳に響く。
一度吐き出した欲望に、近衛のフェロモンが微かに薄れ、僕の理性が顔を覗かせた。
廊下の雑音が、意識の隙間に滑り入る。
じっと近衛のペニスを見詰めていた視線を、慌てて逸らせた。
「……っ。ここで…っ、だ、ダメだっ」
少しだけ戻ってきた理性が、溢れる本能に蓋をしようと足掻いていた。
「九良とはここで、ヤったんだろ? 」
嫌そうに、腹立たしそうに紡がれる近衛の言葉。
表情を窺うように上げた瞳に映るのは、僕を咎めるような近衛の視線。
なにも言えない僕は、再び瞳を伏せるしかなかった。
ぐっと身体を寄せた近衛は、椅子の背に腕を立て、座る僕の股間を鷲掴む。
「おまえだって、辛いんじゃねぇの?」
耳許で囁かれる腹に響く魅惑の音。
柔く握られる感触に、腰から痺れが這い上がる。
「…………っ」
理性と本能が、シーソーのように僕の中で主権を争う。
ちゅっと小さく口付けられた耳に、にゅるりとした感触が入り込んでくる。
「んっ……くぅ…」
くちゅ、ぴちゃ……っと響く小さな水音が、脳を侵略していく。
やわやわと揉まれる股間に、近衛の掌へと擦り付けるように、腰が揺れる。
「……………ふ、ぅ…」
股間を嬲る近衛の腕を、両手で掴み、反抗する。
「だ……めだ…」
耳を犯す近衛の舌から逃げるように、顔を背けた。
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