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見えているのは不幸せ
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僕が見通す未来に、幸せはない。
近衛家に、僕は必要とされないどころか、厄介者扱いされるに決まってる。
話をしに行ったところで、別れさせられるだけだろう。
見えているのが不幸な結末だとしても、変えようのない現実だから、僕はそれを受け入れる。
瞳を閉じて、意識を逸らせ、今の幸せを噛み締める。
両手で近衛の頬を包み込んだまま、何度も何度も唇を交わす。
余すところなく、その魅惑の唇を舐め上げた。
ちゅっ、ちゅく……っと鳴る小さな水音が、少しずつ部屋の中に充満していく。
音に、感触に、…近衛とのキスに夢中になる。
僕のベルトを忙しなく外した近衛は、下着ごとスラックスを荒く摺り下げる。
「んっ………は、……んふ…」
激しくなる呼吸に、外気に曝された下半身に、ぞわぞわとした高揚感が、背を撫でていく。
にゅるりと入り込んできた近衛の舌は、僕の粘膜を剥がそうとするように、ぬらぬらと口腔内を這い摺り回る。
覆うものがなくなった僕の尻に、近衛の手が直に触れ、柔らかく揉みしだく。
押し倒す勢いで、近衛の腿に乗ろうとしたが、膝に纏わりつく衣服が邪魔をする。
近衛の手に引っ掻けるように、上履きとして履いている革靴ごと左足だけを抜き取った。
僕の足から逃げた革靴は、コツンと小さな音を立て、床を打った。
引っ掛かりがなくなったスラックスと下着が、すとんと落ちる。
右の足首にスラックスと下着が纏わった。
靴下だけが、最後の城壁のように僕の左足を覆っている。
「んふ………っ」
左の尻から腿裏にかけて、近衛の指先が、肌を堪能するように柔らかく這い摺った。
擽るように、毛羽立てるように、煽るように、さわさわと蠢く近衛の指先が、僕の心を急き立てる。
きゅっと掴まれる双丘に、じわりと愛液が溢れ出す。
「はっ……ふ、ぁ……」
熱く、荒く、激しくなる鼓動に、口づけたままの唇は、端から唾液が垂れ落ちていく。
たらりと流れた唾液は、近衛の顎を伝い、喉仏の上を滑っていった。
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