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俺は嬉しいよ? < Side近衛
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そろそろ発情期だ。
番となった神田に明確な発情期はないが、多少なりとも、俺に対するフェロモンの発生が増える時期もある。
神田も、巣作りをしているだろう。
でも、年上であり教師という職についている神田は、見かけ以上にプライドが高い。
俺の見える場所になんて、きっと作らない。
でも、誉めてあげたい。
恥ずかしさを苛立ちで誤魔化した神田の手にはしっかりと、俺のシャツとハーフパンツが握られていた。
バスルームに行くふりをして、神田の動きを探る。
神田は、本当にそのまま寝室へと入っていった。
足音を立てぬように、神田の後を追った。
さほど広い家でもない。
数歩も歩けば、部屋の入口に辿り着く。
きちんと閉じられていない扉の数センチの隙間から中を覗く。
神田は、扉の対角線上にある引戸の前にしゃがんだ。
そこは、上下2段になっている0.5畳ほどの収納スペース。
引戸を開けた神田は、手にしていた俺の服をせっせと下段に詰めていく。
あそこだったのか。
にやにやしてしまう顔を正せない。
そっと部屋の扉を開き、神田の後ろに、すっとしゃがみ込んだ。
巣作りに真剣な神田は、俺の気配に気づかない。
神田の後ろから覗き見た巣には、どこにいったのかと探していた俺の靴下まで組み込まれていた。
ふっと堪えきれない笑いが漏れた。
「………っ!」
俺の声に驚いた神田は、びくっと身体を跳ねさせ、クローゼットの上下の仕切りに頭を打ちつけた。
「ぃ……たっ…」
クローゼットの中に頭を入れたままに、神田は、ぶつけた場所を擦る。
俺は、そんな神田の頭を守るように手を差し込み、腰を抱き寄せ、そこから引き摺り出す。
後ろから神田を抱き締めたままに、口を開いた。
「凄いね。綺麗に出来てるじゃん」
神田は耳まで赤くし、片手で顔を覆う。
「これは……その…」
「恥ずかしがるコト、ないじゃん。俺は嬉しいよ?」
後から覗き込む俺に、指の隙間から見える神田の顔は、更に赤くなる。
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