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自分勝手に抱き潰す
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どうにも出来ない、変えられない自分のβという性に、苛立ちと悔しさが胸を埋める。
目の前で誘惑するように髪の奥に見える懐里の頸。
オレは、髪の毛ごと、懐里の頸に噛みついた。
何度も、何度も、懐里の頸へ甘噛みを繰り返しながら、腰を振るう。
こんなことをしても、オレたちは、番になど成れない。
諦めるしかない事実に、胸が掻き毟られる。
なんで、なんで、なんで。
こんなにも、懐里を好きなのに。
こんなにも、懐里を求めているのに。
どうしてオレは、αじゃないんだっ。
むしゃくしゃする感情に翻弄され、制御の効かない本能に、懐里の最奥へと、精を放っていた。
馴染ませるように、確実に孕むように、オレは重い楔を数度、打ちつける。
ごぷり…ほんの少しの隙間から、白く濁る粘液が溢れ出す。
視覚から、脳を殴られた。
急に目覚めた理性に、ひゅっと息を吸い込んだ。
慌て、ずるりと引き抜いたペニスは、白い液体を垂らし、濡れ光る。
「……ごめん、中…っ」
向けた視線の先には、懐里の後頭部。
懐里は、うつ伏せたまま、一定の呼吸を繰り返す。
懐理が、いつ落ちたのかも気付かなかった。
それほどまでに、オレの心は、気づかぬうちに追い込まれていた。
ただ、本能のままに。
ただ、欲望のままに。
懐里のためじゃなく、オレのために。
オレは、オレ自身のために、…懐里を、抱き潰したんだ。
処理しきれない感情を、守るべき懐里にぶつけていた。
気遣うこともせず、オレが、抱き潰した……。
懐里を穢してしまった…、気がした。
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