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決まっていた結末
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ぺたんと座り込むおれに、男は、ゴムを始末し、ちらりと瞳を向けた。
「瀬居には、番がオレだって言うなよ?」
言葉に視線を向けるおれに、男は、言葉を繋いだ。
「卑屈になるかもだろ? 自分がβだからって、αのオレを妬まれても困るし 」
身形を整えた男は、壁や床へと視線を走らせ、面倒臭そうに息を吐く。
「お片付け、よろしくね」
次はお前もゴムつけてやらなきゃな…と、おれの頭をぽんっと叩き、部室から出ていった。
それからが、大変だった。
どこでも、いつでも盛るアイツ。
場所も時間も関係なかった。
番なんて名ばかりで、奴隷のような扱いを受けた。
デートなんてしない。
一緒にいることすら、ほぼ無かった。
呼び出され、ヤることが終われば、放って置かれた。
だけど、おれには、逆らう術がない。
卒業旅行の前夜。
珍しく、アイツがおれの家に来た。
数人の仲間を引き連れて。
最後の命令は、目の前で、自分の友人たちの相手をしろと。
俺は、もう、抱かないと。
好きでもない、番でもない奴らに抱かれる意味が、わからなかった。
「しゃぁねぇじゃん。俺、もう、お前で興奮しねぇんだもん」
ゲラゲラと下品な笑い方をするアイツに、血の気が引いた。
「オレね、玩具欲しかったんだよ。卒業まで遊べるオ、モ、チャ」
呆然とするおれの頬を、ぱしぱしと軽く叩きながら、言葉を繋ぐ。
「女は食い飽きたしさ…、男のプライド? 引き裂いて、苛めてみたかったんだよね」
頬から顎へと滑った番の指先。
くっと持ち上げられた顔に、番の顔は、困ったように歪んだ。
「でも、面白くなかったわ。やっぱ、女の方が、抱き心地いいし」
突き放すように顎を押され、おれは、そのまま床に尻餅をついた。
呆然と座り込むおれに、番は、ゆっくりと目の前にしゃがみ込んだ。
「ま、こいつらとのセックス、受け入れようが、拒否ろうが、こうするつもりだったけどな……」
言葉と共に、番の顔がおれに近づく。
顎を捕まれ、横を向けられた顔に、番は回り込むようにおれの頸に噛みついた。
ぶわりと身体を包んだのは、計り知れない喪失感だった。
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