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2日目、登校
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(歩くの、早………っ!!)
勝手にしろ、と言っただけあってこちらに合わせてくれる気は全く無いようだ。
それにしたって早い…ウサギだからか?さっきから小走りでついていく僕の息はとっくに上がっていた。
「ちょ、ちょっと待って!!」
限界を感じた僕は掠れる声で止めた。ウサギは振り返り、はぁと溜め息をついてからこちらに戻ってきた。舌打ちは気のせいということにしておく。
「……遅ぇよ」
「き、君が早すぎるんだろ……」
不機嫌そうに文句を垂れるウサギ。僕は深呼吸をしつつ辺りを見回した。
「…動物ばかりだね」
道行く者はみんな動物で、人は見当たらなかった。
「……こっちにゃ人間なんていねぇよ」
ウサギが言った。
やはりここはいつもの世界じゃないようだ。
「………もういいだろ、行くぞ」
ぼそりと呟いたウサギはまた歩き出した。
ついていこうとすると、ウサギが急に立ち止まった。
何事かとまえを見ると、なにやらでかいサイ?が立っていた。スーツを着ている………
「こんなところに居たのか転校生!!探したぞ!!!」
見た目通りの野太い声が響く。
おや、ウサギは転校生だったのか。となるとこの人は先生かな?
「さあ案内するぞ転校生!!!」
そう言って先生が掴んだのは僕の腕だった。
「………え?」
いや、転校生はウサギの方じゃ………
と、ウサギの方を見るともう既にいなかった。
「………え、え、えぇ!?」
「さあ行こう!!」
爽やかな朝に、サイに引きずられる僕の悲鳴が響きましたとさ。
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