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そもそも母さんも唐突すぎるのだ。
再婚するほどの人と会っていたことすら知らなかったし…
今日の顔合わせも急に言われたせいで入っていたバイトだって交代してもらわないといけなくなった。
椿「あ〜金がない〜」
蜜「でた…その口癖。案外再婚した人が金持ちかもしれないでしょ?」
朔「そうそう。紫さん美人だし、ありえないことではないだろ…」
一応フォローはしてくれているらしい幼馴染みを横目で見つつ、今日の顔合わせのことを考える。
優が母さんに聞いた話によれば、相手方も子どもがいるらしく歳も近いらしい。
『いっきに子ども増えちゃったわね♪』という母親のセリフに溜め息しかでなかったのが今日の朝の話だ。
顔合わせなんて憂鬱すぎる。
正直どこの誰かもわからない奴と兄弟になるなんて嫌だし、いきなり紹介された人が父親になるなんて子ども的には複雑である。
母さんには幸せになってもらいたい、というのは本心なのだが、それとこれとは話が別になってくる。
蜜「椿が白鳥じゃなくなるって変な感じ」
朔「まぁ、中学なったばっかの時もおじさんと離婚したから白鳥に変わったんだけどな」
椿「俺、苗字変わりすぎだよな…」
うんうん、と頷いている幼馴染み。ここまでくると笑いしかでてこない。
椿「母さん、男運悪いからな〜…」
蜜「うちの母さんも昔おばさんが変な男について行かないか気が気じゃなかったって言ってたしね…」
朔「大変だったんだな。桜さん…」
俺の母さんと蜜の母さん、桜(さくら)さんも昔からの幼馴染みらしい。昔の桜さんの苦労が伺えて申し訳なくなる。
蜜「まぁ、なにかあったらうちに来なよ…母さんも父さんもあんたの事大好きだからいつでも待ってるし。」
朔「俺も…グチくらいは聞いてやる。」
やっぱりここは居心地がものすごくいい。
2人には気を使わないし、その時欲しい言葉を2人はすぐにくれる。全員言葉は少ない方だけど言わなくてもわかる。
椿「ありがと…」
2人のおかけで、少しは元気がでた。
今日の顔合わせも嫌々だが、『行こう』と決心が少しだけついた瞬間だった。
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