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俺は雷音獅氷夕(らいおんじ ひゆ)。
前世が大のBL好きの腐男子で物心ついた頃に自分がいつもよくやってた大好きなBLゲームのオメガバースの世界に転生している事に気づいた。
オメガバースとはざっくり説明すると男と女という性別に加え、全てが優秀なα、一般的なβ、男でも子供が産めるが三ヶ月に一度、発情期があるΩ、6種の性別が存在する。
そして俺、雷音獅氷夕という人物は登場人物にちょいちょいうざ絡みをしたり虐めたりするという悪役ポジションの人物である。
ゲームの中での雷音獅氷夕はぽっちゃり体型の低身長で家が金持ちのおぼっちゃまでβでビッチというよく分からない設定になっていた。
だが、実際の俺、雷音獅氷夕は身長は低く設定は変わらないもののぽっちゃり体型とは程遠く、どちらかといえば痩せ気味だ。
そして何故かΩなのだ。
ついでにいうとビッチでもない。
なんたって俺はやるより、見る派だから!
なのにΩって、設定通りβでいいじゃんか…
そういえば、痩せてしまった事については理由がある。
前世の俺は高校生で両親共働きでそこそこ裕福な家庭だった。
中学までは親と一緒にというより、ほぼ居なかったけど暮らしていた。
たまに夜中に帰ってきてはお金だけ置いて去っていくという、ほとんど俺しか住んでいない状態だった。
高校に上がってからも状況は変わらず、夜中に荷物を取りに帰ってくるだけの両親。
結果的に一人でいる事の多かった俺は食と睡眠を最小限にゲーム漬けの日々を送ったり、休みの日には漫画を一日中読み続けるというアホな生活をしていた。
結果、転生した今でも食に興味がなく多々、食べ忘れる事が多く、そのせいか今では完全なヒョロヒョロ体型だ。
ゲームの中では雷音獅氷夕は両親が溺愛しているせいで何でもかんでも与えたせいで太ったっていう設定もあったから、食べるか食べないかで雷音獅氷夕という人物はデブか普通かの道を選べたらしい。
まぁ、所詮は設定でしかなかったのかもしれない。
俺、雷音獅氷夕は青紫色の髪で赤紫色の瞳の少年だ。
右サイドの髪が長くて、前髪も長い為、俺は、前髪を顔マークの付いたヘアピンで留めてる。
顔マークのヘアピンは家に色んな表情があって気分によって変えてる!
そういえば、俺が転生したこの世界、このBLゲームは学園恋愛だ。
ただ、このゲームには主人公という者が存在しない。
このゲームは登場人物達の言動や行動の選択肢、イベントの選択肢などで登場人物達を自由にくっつけれるうえに受け攻めまで選べるというゲームなのだ。
だからこそ、選択肢1つの違いで色々なカップリングがみれるのだ!
俺が通う桜砂学園(さくらざ)、通称さく学は小中高の一貫校で、男子校だ。
ここでは各学年に金持ちクラスが1クラス存在する。
他は一般クラス。
金持ちクラスは、その名の通りおぼっちゃましかいないクラスだ。
まぁ、俺もおぼっちゃまだからそのクラスなんだけどね…
一般クラスが良かった…
今更だけど、この世界差別がほとんどない。
Ωだろうがαだろうがβだろうが皆仲がいい。
そりゃ、まぁ、たまに例外もあるけど…うん、とりあえずそれは置いといて…
金持ちクラスの生徒はすぐに見分けがつく。
何故なら、制服が改造されていたり、もはや私服登校している人もいるからだ。
服装が自由なのは金持ちクラスの特権かな。
そんな中、俺は指定のズボンにワイシャツ、学年別に色分けされたネクタイを付けて、ジャケットの代わりに赤いパーカーを着ている。
そして、普段、俺は赤色の眼鏡をつけている。
目は悪くなく、むしろ良いのだが、俺が使っている眼鏡には音声と映像の録画機能と望遠鏡機能がついているという優れ物だ。
これでこの世界を俺は、絶賛満喫中なのだ。
登場人物達に近付かずに見る事が出来る!
そして、ニヤニヤがバレないように基本はマスクをつけている。
俺は絶対に登場人物達には近寄らず、傍観者でいるんだ!
兎「氷夕、帰るぞ」
俺の頭の上にポンッと手を乗っけて言ってきたのは従兄弟で幼馴染みの雷音獅兎臣(らいおんじ うさみ)だ。
そして、αだ。
氷「はぁーい」
俺は返事をしつつ手を上げて、手を下げるときに頭に乗っけられた手をそっと下ろす。
雷音獅兎臣は登場人物達のうちの一人。
登場人物には近づかないとは言ったけど、身近にいるのはどうにもできない。
マンションも隣だし…
実は今、一人暮らしをしているのだが、まぁ俺のこの生活力のなさを見かねた両親が兎臣の両親と話し合い、兎臣を隣に住まわせたのだ。
おかげさまで食事管理と生活管理を起きてから寝るまでされているのだ。
この世界の抑制剤はかなり良くてよく効く。
副作用はほとんどない。
ごく一部の例外を除いて。
実は俺と兎臣は最初は二人で住むっていう話も出ていたけが、なんとか説得して部屋は分けてもらった。
そもそも、いくら抑制剤が有能だからって年頃のαとΩを一緒の部屋ってだいぶやばいから…
そういえば、俺は普段、僕っこで敬語で話してる。
ある程度の一線を引けるからなかなかに良きだ。
今更ながら今は学校で帰りのHRが終わったところだ。
そして、兎臣に帰るぞって言われたところ。
俺は学校用のリュックを背負おうと席から立ち、持ち上げようとした瞬間、兎臣にヒョイッと取られてしまった。
氷「あっ…」
行っちゃった…
俺は仕方なく兎臣を追いかける。
氷「兎臣、それくらい持てるので返して下さい」
兎臣の前に腰に手を当て立ち塞がる。
兎「だって、氷夕、朝、転けかけてただろ」
氷「あれは石に突っかかっただけです」
思わず、朝の石に躓いて転けそうになった時に兎臣に支えられた事を思い出してムスッとしてしまう。
そして、この高身長にもなかなか腹が立つ。
いつも、学校指定のズボンに上は夏は半ティー、冬はロンティー着たりパーカー着たりしてる。
兎臣は高身長で定期的にジムにも通っている事もあり、体つきがしっかりしている。
このまま俺が突進しても軽々と受け止められるだろうな。
ストレートで気持ち長く見える紫色の髪に切れ長の紫色の瞳、基本的にボケっとしてる。
顔立ちはもちろん登場人物の一人なだけあって、整っている。
だからこそ、学校を出れば男女構わずナンパなんて当たり前だし、声かけられないって方がおかしいくらいだ。
もちろん、校内でもファンがいるくらいの人気だ。
イケメンの部類にも入るけど、男の中の男って感じがして、うん、俺の中では完全に攻め。
ただ、この俺への過保護過ぎる性格を除けば完璧なんだけどな。
じゃなくて…
俺は、兎臣に近付き、力づくで自分のリュックを奪い取り、からうと走って昇降口に向かってさっさと靴を履き替えて校門に向かう。
あと一歩で校門を出るって所でふわっと身体が浮いた。
兎「はい、残念」
あーもう、ッくそ…
両脇に手を入れられ、まさに高い高い状態で、抱え上げられた俺はその場にいる全員の視線を集め、その状況下に思わず頭に手を当てて、がっくり項垂れたのだった。
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