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事情説明
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場所を変えて河川敷の芝生で腰を下ろした。
「……委員長…オレは大丈夫だから、早く話して……」
「いや、朝霧の手当てが先……」
喧嘩をしていて勝ってたとはいえ、かすり傷が多い。もっと体を……自分を大切にしてほしい……
けれど、そうさせたのは、きっとオレのせい。
「……っ……」
「委員長?なんで泣いてんの……?」
朝霧は涙を流すオレの頬に手を添えてオレを引き寄せる。そして、唇に温かい感触。
キスしてる。
安心しろと言わんばかりに、優しいキスをする。口を離されると、目尻から溢れた涙をぬぐってくれる。
「……委員長、話して…」
「……っ……っ……オレな……」
オレは朝霧に今までのことを話した。ことの原因は転校生のこと。
風紀委員の仲間がそれで離れていったこと。
イジメを受けていたこと。
田沼がやられた時も自分のせいだということ。全て、全て話した。
朝霧は何も言うこともなくただ、聞いてくれていた。
「……オレ……皆んなを巻き込んでいたんだ……迷惑してたはず……それで……このままじゃダメだって思って……みんなから離れようって思って……」
「……委員長、誰も迷惑なんて思ってないよ。……田沼がやられたのだって、多分、何かあったんだと思う。委員長がイジメにあってるようにね……。田沼も闇の中にいる。」
「………オレは田沼に会わせる顔がない……まだ病院で眠り続けてる……」
「委員長のせいじゃない。悪いのはあの転校生だ」
震える体を抱きしめてくれる。朝霧は本当に優しくて男前だと思う。
「……朝霧……」
「……委員長……安心して……オレはもう、委員長を一人にはさせないから。」
「……うん……」
「あの転校生のことも、なんとかする……」
「うん……」
「だから、オレらを突き放さないで…オレらはお前なしじゃ、ダメなんだよ……。オレらはお前に……救われてんだから……」
今度は朝霧が泣き出していて、僕は抱きしめる力を強めた。
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