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第2章 1
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「ん〜・・・、ふぁ〜、、」
桜庭綾人は、寝心地バツグンの上掛け布団からモゾモゾと這い出て、いつもと同じ、まだ日も登り切っていない時間に目を覚ますと、
隣でまだ眠っている桜庭大河に身を寄せて、形の良いその唇にひとつ、口づけをした。
綾人が身じろぐ、その少しの刺激だけで、毎回律儀に目を覚ます大河に、いつもの様に頬を緩ませた綾人は、
「おはよう。朝ご飯作って来るだけだから、まだ眠ってて。」
と、まだ寝起きでぼぉ〜っとしている大河の上に、再度布団を被せてから、2人の寝室を後にする。
朝食の準備の前に、部屋を出てすぐにある洗面所へと先に向かうと、
まだ少し眠気の取れない頭をスッキリさせるべく、少し冷たい位の水で顔を洗った。
ふと、鏡に映った自分の姿を目に留めて、
(あっ、少し髪の毛が伸びたかなぁ〜)
などと、
目についたその姿にしばし思考を巡らせた。
桜庭綾人の容姿は、薄茶色の柔らかい毛質の猫っ毛に、髪より少し明るめの茶色いトーンの瞳をしていて、
顔は自分で言うのも何だが、ごくごく一般的に見ても、整っている方だとは思うが、自分では中の中くらいの可も無く、不可もない容姿だと認識している。よく見て、中の上くらいではないだろうか。
世の中には自分くらいの容姿などごまんといるし、別段気にしている訳ではないが、
あえて、不満があるとすれば、未だに高校生に間違われる事もある己の容姿がときどき酷く恨めしく思う時があるのが目下の悩みの種である。
そんなどうしようもない事を悩んでいても何にもならないので、早々に鏡に映る自分から目を逸らすと、
綾人は朝食を準備しに、ダイニングルームへと足を向けた。
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