アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第2章 3
-
お皿を運ぶ役目は、李土が買って出てくれたので、綾人はもう1人の息子を起こしに、一階にある次男の部屋へと足を向けた。
コン、コン、コン
「信之〜っ、起きて〜、ご飯出来たよー」
数回のノックの後、一応、返答を待っては見たが、この程度では寝起きの悪い次男が起きないことは承知の上だったので、いつも通り鍵のかかっていない扉を開けて中に入る。
「信之、起きて!あさご飯〜!」
綾人が毛布に包まりながら、芋虫となっている信之の肩を揺らしながら、若干声を大にして呼びかけると、やっと、こんもりと膨らんだ毛布から信之が顔を出した。
「ん〜、、分かったよぉー、行くから〜…」
と、寝起きで少し掠れてはいるが、いつもと変わらないボーイソプラノの耳触りのいい声が聞こえて来る。
その声に、クスリと笑みを漏らした綾人は、未だにモソモソと眠気と戦っているのか、往生際悪く、温い布団への執着を見せている信之を横目に見ながら、次男の部屋を後にする。
部屋を出る間際に、
「もうお兄ちゃんは、起きてリビングいるよ〜」
という一言を忘れずに。
綾人が放った言葉の爆弾は、効果的面だったのか、それまでのナマケモノ並みに遅い動作が、一変。
「もぉ〜っ!早く言ってよー!!」と、
今度はチーター並みに素早くベットから飛び出したのが、閉まるドア越しに見えたのだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
10 / 43