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第2章 11
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なので、
唯でさえ、学外から多くの来客者がやって来る
『聖サンダルフォン大学の文化祭』という大きなイベントごとに、己が行けなくなったと知るや否や、
大河は速攻で自分の代わりに綾人のボディガードとして李土を指名したのである。
綾人としては、大学では念のため、李土達とは別姓を名乗って、
綾人自身は桜庭一族では無く、結婚前の姓である『天野』を名乗っている物だから、
いくら、李土達の従兄弟であると、己の身分を偽っていたとしても、
学園で王様の如く、沢山の生徒に崇められている李土をボディガードとして側に置くのは、その他の問題が勃発するのでは無いかと、ヒヤヒヤ物なのだ。
いや、
冗談で無く。
実際、綾人と李土がほんの少し学内で話しをしていただけで、李土の親衛隊を名乗る複数の男女に周りを囲まれた時は本当に肝が冷えたのだ。
李土との関係を白状するまで、絶対に逃がさないという決意を宿した複数の目に睨まれて、
蛇に睨まれたカエル並みに、表情が引き攣ってしまっていたが、
幸い、すぐに騒ぎを聞きつけた李土が駆けつけて、僕たちの関係は桜庭家の親戚で、遠い従兄弟同士という言葉を
群がるギャラリーに投げつけたのだ。
李土から説明されれば、それ以上突っ込む勇気も無かったのか、
以来、綾人と桜庭兄弟は親戚であり、遠い従兄弟同士である。という位置付けに落ち着いた。
それで一応納得してくれたのか、それからは、
変に突っ掛かられる事も無くなったが、別の問題が発生したのは想像に難くないだろう。
ま、そーゆー経由もあって、出来ればお供は別の人が良かったのだが、大河が頑として譲らなかったので、
文化祭のボディガード役は李土に決定したのだった。
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